仙川環さんという作家さんが書いたこの作品、別にぜんぜんホラーとかではありません。
ごく普通の医学サスペンスです。
いや、医学サスペンスというところからして、ANNE好みと言うか、ちょい趣味が偏っているというか・・・
ま、しょうがないよね 面白いし、すきなんだから。
この作品は、「臓器移植」「異種移植」がテーマです。
かなり掘り下げて描かれているので、サスペンスのようにも、ヒューマンドラマのようにも受け取れるかも…
ご存知のように、日本では15歳未満の臓器提供、臓器移植は認められていません。
もし、子供が移植をしなくては死んでしまう!!という場合、たいていアメリカなどへ飛んで手術を受ける というパターンでしょう。
簡単に言うけれど、もし、臓器移植を受けなければ死んでしまう子供をもつ親だったら…
そう考えると、本当にいたたまれない気持ちになりますね 手術費用に加え、渡航費用、滞在費用… しかも臓器提供者が現れるのをただ待つばかり…
難しい問題ではありますが、何か移植を受けられずに死ななくても済む手立てはないのか
このストーリーは、そんな切実な思いがベースになった作品です。
でも、とてもサスペンスタッチで、読み進めていくと、ぐいぐいひきつけられます。
サスペンスドラマと同じく、結末が気になってしまう~
で、読み終わって、クールダウンすると、「これがもし本当に起こったら」 と少し空恐ろしくなるんですよね。
え ANNEだけ? ま、いいけど…
しばらく前にアメリカで「炭素菌」騒ぎがあったのをご記憶の方も多いかと思いますが、このタイトルからして、もしなんらかの原因不明のウィルスが蔓延したら、きっとパニックになるだろうなぁ… と思います。
SARS とか、クロイツフェルトヤコブ病(狂牛病)とかも、騒がれましたね。
すこし古くなるけど、小松左京氏の「復活の日」もバイオハザード系の作品でしたね。
この作品も、東野圭吾作品同様、医学の領域に倫理のメスを入れる?的な側面を持っているようです。
なにか、投げかけるものがある作品ですね。
意外性と面白さ
では、風邪に気をつけて、楽しい読書ライフを
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