先日、ティモシー•シャラメが「オペラやバレエはもう誰も気にしていない」という発言をした、という話題を目にしました。



ロイヤル•オペラハウスやウィーン国立歌劇場など、さまざまなオペラ劇場、オペラ歌手、ダンサー達が彼の発言に対して憤りを感じています。


私も彼の発言を聴いた時、ふと昔の自分のことを思い出しました。


学生時代、私は教師に


「バレエなんて職業はない」


と言われたことがあります。


その言葉を撤回させるために、私は10代でプロになりました。


昔の私は、怒りを原動力に前に進んでいました。


そして2019年頃のブログを読み返してみると



その怒りが文章にもはっきりと表れていました。

(随分怒ってますね、笑)


しかし今、同じような発言を耳にしても、あの頃のような怒りはありません。


むしろ、ある意味では感謝に近い気持ちがあります。


なぜなら、そういう言葉を聞くたびに、自分にとって「芸術」がどれほど大切なものなのかを改めて思い出させてくれるからです。


確かに、バレエやオペラは、すべての人にとって必要なものではないかもしれません。


でも、この地球上には


「それによって勇気をもらう人」
「希望を見つける人」
「人生を変えられる人がいます」


誰かにとっては必要でないものでも、ある人にとっては、人生そのもののように大切なものになる。


ただそれだけのことなのだと思います。


だから、もう議論するつもりはありません。


価値観が違うだけで、住んでいる世界が違うだけ。


ただ一つ言えるのは、


「何百年も続いてきた芸術は、それを愛し、支え続けてきた人たちがいたからこそ、今も存在している」


ということです。


そして私自身も、その芸術に人生を与えられてきた一人です。


誰かの言葉に腹を立てるよりも、自分にとっての「芸術の価値」を再認識させてくれたことに、今はむしろ感謝しています。



芸術は誰かが必要とする限り、静かに、しかし何世紀にもわたって行き続けていく、と確信しています。


そして自分の人生に「バレエ」がある事に、感謝しています。


左右木健一