昨日のブログにも書きましたが…


YAGPはおろか、国内、地元のコンクールすら出場しない現在在籍する生徒たちが、昔よりも基礎力があり、集中力があり、やる気に満ち溢れているのか?


私自身が不思議だったので色々分析をした内容を書いてみました。


まずは…誤解のないように言えば、私はコンクールを否定していません。


否定をしていればコンクール審査員などは務めませんから(笑)



舞台に立つ経験は尊いし、目標を持つことは成長を加速させます。私もプロ生活中でもコンクールに参加して貴重な経験もさせてもらいました。



ただ、最近はっきりと思うのです。


「コンクールはメインではない。あくまでスパイス」


心理学的にも興味があったので調べたのですが、人のやる気は大きく二種類に分けられるそうです。


ひとつは「外発的動機」


賞を取りたい

評価されたい

認められたい

順位を上げたい


これは強いエネルギーになります。締切があれば頑張れるし、本番前は集中力も高まります。


でも弱点があります。


評価や報酬がなくなると、努力も止まりやすいのです。承認欲求だけではバレエの壁は乗り越えられません。


もうひとつは「内発的動機」


上手くなりたい

身体が変わるのが面白い

理解できた瞬間が嬉しい

できなかったことができる喜び


これは静かですが強い、そして長く続きます。承認欲求無しでも自ら学ぼうとするチカラがあると、他人の評価を気にしなくなります。


本当に伸びる子はこの力が育っています。たぶん今うちに在籍する生徒たちが成長している理由は、この「内発的動機」がベースになっているからだと思います。


コンクールを「メイン」にしてしまうと必然的に「賞を取るための練習」になります。


本来は「上手くなるための練習」であるはずにも関わらず、順番が逆転すると、どこかで苦しくなります。


子供たちだけでなく、親御さんも比較が増え、順位が気になり、評価に一喜一憂し、他人の結果が常に気になってしまう…


これを脳科学的にも調べたのですが、不安や比較ストレスは、学習効率を下げるそうです。


一方で安心できる環境で純粋に技術と向き合うとき、脳は最も効率よく成長するそうです。


指導者にとって大切なのは、コンクールで勝たせることよりも、コンクールがなくても努力できる子を育てること。


保護者の皆様にとって大切なのは、賞の数よりも、子どもが自分の足で立って努力できる力を身につけること。


スパイスは料理を引き立てます。でも、メインがなければ意味がない。


ではメインとは何か。


「基礎を繰り返す力」

「プライドを捨てられる強さ」

「昨日の自分と向き合う姿勢」

「評価より成長を選ぶ心」


これが整っていれば、たとえコンクールに出ても承認欲求や他人からの「ご褒美」に依存はしていないので、強いと思います。


コンクールに出なくても、強さは普段のレッスンでも養う事は出来なくもないはず。


そして何より「長く踊り続けられる」


バレエは短距離走ではなく、長い人生の中で続いていくものだと思うのです。


だから私はこれからもスパイスよりもメインを大切にしたいと思いますが、スパイスも必要!


私がWind Ballet Concours審査員長を務めるのもスパイスの一つですが、私の芸術活動の一部分であり、コンクール審査員が私のライフワークの全てではないです。


これからコンクールに参加する方にも


「コンクールは通過点であり、芸術活動の一部分であり、バレエ人生の全てではない」


と理解して、安心して踊ってもらえたら嬉しいです。


左右木健一