先日の私が掲載したブログ



ロイヤル・オペラ・ハウスなどが公式に不快感を示し、この発言に対して多くの芸術家たちが違和感を表明しています。  

同時に、こうした議論が起きると必ず出てくる意見もあります。


「バレエやオペラは高い」  

「古い芸術だ」  

「もっと敷居を低くすべきだ」  

「今の時代に合わせるべきだ」


しかし、こういう議論はいつも同じところをぐるぐる回ります。


一つだけ、まず知ってほしいことがあります。


たった一つの舞台を作り上げるのに、どれほどの時間と労力がかかっているのか。


ダンサー、歌手、指揮者、オーケストラ、演出家、振付家、舞台監督、照明、音響、衣裳、装置、制作スタッフ。  さらに劇場の維持費、設備費、人件費、光熱費、広告宣伝費などなど。


舞台裏で働く人々をご覧ください。



この方々を無料で働かせますか?


これらはプロの舞台に限らず、アマチュアの発表会でも同じ。まさに膨大な人の仕事の結晶のうえに成り立ちます。


よく  

「バレエのチケットは高い」  

と言われます。


しかし少し視点を変えてみてください。


例えば地方から家族でディズニーランドに一泊二日で行く場合。


新幹線往復(家族4人)  

約8万円〜12万円


ホテル1泊  

約2万〜6万円


パークチケット  

約3万〜4万円


食事・お土産など  

約2万〜5万円


合計  

おおよそ15万〜25万円ほどになります。


もちろん、アミューズメントパークに価値を置くことは全く悪いことではありません。  


人それぞれ、楽しみ方は違います。


アミューズメントパークは一泊二日で終わります。


しかし舞台はその作品を上演するのに何ヶ月も要し


もし3歳からバレエを始めて23歳で主役を踊るならば20年の時間と努力が必要になります。


ですから舞台芸術や、学校では決して習うことはないプロフェッショナルが指導する芸術という習い事に対して  


「高い」


と言う言葉で解決するのはどうでしょう。


様々な工程を経て、手間暇をかけて、  海外から豆を輸入するコスト、現地で豆を育てる方、淹れる方の人件費、メンテナンスが必要な設備費、光熱費、広告費をかけて、一杯のコーヒーが提供されるカフェで


「高いから安くしろ」


と言うことは、


そのコーヒーを淹れるために働いてくれた人たちに  


「ただで働け」  


と言っているのと同じではないでしょうか。


あるいは、何百年も大切に受け継がれてきた料理を提供するレストランに対して


「古臭いから、新しくしろ」  

「敷居を低くしろ」

「今時の味にかえろ」


と言うでしょうか。


芸術に対する価値観は、人それぞれです。


そして、生きていく上で  


「何に趣を置くか」  


も人それぞれです。


もしかしたら、分かり合えないこともあるでしょう。


それでもいいと思います。


大切なのは


「それぞれの価値を尊重すること」


それが文化というものだと、私は思います。


明日夜にインスタリール載せます。



左右木健一