郷帰り
あなたの海を漂っていた
あの時代は遥か遠く
いつの間にか
夢を抱き 疵を背負い
もう その柔らかな微笑みも
うまく思い出せない
そんな自分に嫌気が差す
それでも歩いている
図らずも
夢を踏み躙り 愛を奪い
もう その強い眼差しも
掠れていく
そんな自分に涙が滲む
けれども歩いていく
だから
雲の隙間から
そっと背中を包んで欲しい
時折 そっとで いいから
在る 人へ
捨てていくほうがいい
ある程度歳月を重ねたならば
ただぼんやり歩いていても
知らず知らず荷物は増えていく
それでも捨てないのは
純度100%の初期衝動と
導かれた友の遥かなる夢
あとはただ一度の恋、 くらいだろうか
親愛なる 我が、父と母の深き愛は
既に魂で在るからして 敢えて数えない
先へと急かす旅人にも
その距離は侵させはしない
ともにその手を
繋げたら 幸せだ