ボールを動かす | ソフトボールを愛する人にお届けするブログ

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腰痛に苦しむこの大木投手でしたが、
不思議な事にピッチャーは出来たんで
すね。

私も治療家の端くれですの、大木選手
の腰の状態が良くないことは分かって
いました。

そして私も腰痛に苦しんできましたの
で、あの腰の状態でボールを投げてい
ること自体、不思議なくらいでした。

この腰痛に苦しむ不安定な大木投手で
したが、この年西村投手も指の腱鞘炎
や長く頑張ってきた勤続疲労からくる
肩周囲の痛みに悩まされていて、意外
に出番は早くやってきました。

西村投手という良い見本が身近にいて、
アドバイスももらう訳ですから、それ
なりに成長しているのでしょうが、彼
が可哀想なのは、比べられるのがいつ
も日本の大エース西村なのですから、
それは見劣りしますよね。

大木投手が登板すると相手チームは、

「よし、行けるぞ!」

「勝てるかも。」

って思います。

始まった日本リーグでは先発西村から
大木へ繋ぐことが多くありました。

調子は上がらないものの、それなりに
抑えてはいましたので、彼の腰が万全
であったなら、いったいどんなボール
を投げていたんだろうかと思いますね。

あの腰であのボールなので、じつは彼
はすごいポテンシャルの持ち主だった
のかもしれませんね。

私の目は節穴だったんです。

試合が終われば西村投手にアドバイス
を求め、何とかチームに貢献しよう、
迷惑を掛けないようにしようと頑張っ
ていました。

単純に速いだけではなくて、動くボー
ルを追求したいところでしたが、なか
なか思うようにいかないことも多かっ
たです。

今週日曜日発行のメールマガジン

「ソフトボール日本一への道」

に詳しく書いていますが、平成10年
に神奈川県で開催されたかながわ・ゆ
め国体の初戦埼玉県(ホンダエンジニ
アリング)戦には、決勝戦までの日程
のことを考えて大木投手先発でいくこ
とを決めました。

前日にそのことを伝え、万全の準備を
させようとしましたが、この大きな体
に繊細な心を持った優しい男は、プレ
ッシャーに負けてしまって、4連覇を
狙ったこの国体で初戦敗退という大失
態を演じてしまいます。

「やってもうた・・・」

落ち込んだ大木投手の顔が今も浮かび
ます。

決勝戦まで行く予定でしたので、予算
も残っていたこともあって、負けたそ
の晩はホテルの1階にあったお寿司屋
さんで、たらふくお寿司を食べました。

お腹一杯食べて、終わったことは忘れ
てまた勝てるように頑張ろうと話した
ような・・・(笑)

この頃には西村投手の体は結構ガタガ
タで、試合が終わったらアイシング、
夜は鍼治療とマッサージ、試合前はテ
ーピングと、完璧な体調で試合で投げ
ることはなくなっていました。

またこの頃には西村投手が結構な

「酒飲み」

になっていて、試合が終わると私の目
を盗んでビールを飲んでいるという始
末です。

監督も兼任していましたのでストレス
も大変だったでしょう。

飲みたい気持も分からないではありま
せん。

しかしお酒を飲み過ぎると体が酸性傾
向に傾くので、筋肉は固くなり、痛み
も残るようになるので、大会中は控え
ちょったらええぞと言っていただけで
した。

「飲んでもええけんど、痛いがはお前
 ぞ!」


優しい私の言葉に耳を貸さず、ビール
を飲んでいた西村監督兼選手でした。

それもあって大木投手の台頭は、みん
なが期待して待っていました。

ある意味では大木投手のボールは、ム
ービングファストボールでした。

ただそれは自分でコントロールしたも
のではなくて、投げ損ないでした。

ドロップが抜けて真っ直ぐ来る。

時には伸びて来る(笑)

ストレートが引っかかる、抜ける。

ボールは動いているのですが、このよ
うな動くボールではバッターは打ち取
れませんでした。

万が一打ち取れても、それはたまたま
ですので、次同じような投球が出来な
い訳ですから、使えませんよね。

ただそれを横で見ていた者として言わ
せてもらうと、西村投手や大木投手が
ベストな体調で、ベストボールも投げ
ていたとしたら、当時はなかなか打た
れるものではありませんでした。

ストレートでストライク取って、ライ
ズボールを投げて、最後はドロップで
勝負せえやって思っていましたね(笑)

ただピッチャーは完璧を目指したので、
新しい試みをしてみたくなるんです。

この気持がなくなると成長も止まるこ
ともありますので、難しいところです
ね。

全国のピッチャーの皆さん、頑張って
下さい。

バッターを打ち取れるボールが必ずあ
ります。

今日はここまでにしますね。