闘犬センターを離れ、復帰した頃の話
です。
4年ぶりに復帰してみると、チームの
メンバーは大幅に若返り、知らない顔
があったりで、少々戸惑ってもいまし
た(笑)
そこで出会ったのがこの男

大木投手です。
中京大学在学中に世界選手権に出場し
て、その時に見そめられて闘犬センタ
ーに拉致されて入部してきたすごいピ
ッチャーだと聞かされていましたので、
どんなすごい選手かとドキドキしなが
らの対面でした。
ところがこの頃の大木選手は「腰」の
状態がとても悪く、そのせいなのか、
はたまたセンスがないのかノックを受
けたらよろめく、ピッチングをすると
ストライクを投げるのもままならない
ような状態でした。
「?????」
「お前、ふざけちゅうがか?」
と言いいたくなるような状態でした(笑)
こんな姿を見た私は大木選手のことを
「たいぼく」
と呼ぶようになりました。
大木の音読みですが、その由来は
「○○の大木」
から来ています。
大きいだけで使い道がない状態でした。
ブルペンで練習をするというので、キ
ャッチャーをしてみることにしたら、
「ドロップ行きます。」
と言うので落ちるだろうと思っていた
ら、落ちるどころか伸びるようなスト
レートがドーンと来ました。
「おいおい!」
それも一度や二度ではなくて、何回も
そんなことが続くので、久し振りのブ
ルペンキャッチャーということもあっ
て、パスボールだらけで、とても練習
にならなかったことでした。
それで大木投手にピッチングの基本み
たいなことを話始めることになるんで
すが、ここで私が「浦島太郎」になっ
ていることが発覚します。
私の時代にはピッチャーの投球の基本
は、外角低めのストレートをきちんと
投げられることから組み立てられてい
ました。
私は大木投手にそのように話をしてい
ました。
大木投手もその時は「はい」と聞いて
くれてはいましたが、実は時代はもっ
と進んでいたんです。
この大木投手と西村投手などが世界選
手権で感じていたことは、私の時代錯
誤なアドバイスを大きく超えたもので
した。
それはある日の西村投手の口から出た
「僕らの頭にストレートという球種は
ありません。」
という言葉でした。
真っ直ぐ行ったらバットできちんと捕
えられる可能性が高くなるので、少し
でもボールは動いた方がいいというこ
とでした。
「そうか、こいつらあの頭には真っ直
ぐというボールはないがや。」
「これは困ったぞ!」
どうやってこの出来損ないを育てたら
ええがやろうと思ったことでした。
いくらボールに力があっても、ある程
度自分の意思通りにボールを投げ分け
られなければ、バッターを打ち取るこ
となど出来るはずはありません。
そんなことが今から17年ほど前にあ
ったことを思いだしました。
ですから一昨日の西村君のコメントに
あった、ムービングボールじゃないと
世界は抑えられないってことは、もう
ずっと前に気がついていたことだった
にじゃないかと思いました。
バットの芯で捕えられたらホームラン
になるのが、今のソフトボールです。
バットに当たる瞬間に鋭く少しだけ変
化するボールを投げることが出来れば、
打ち取れる確率が上がるかもしれませ
んね。
残念ながら私にそのような理論や技術
はありませんので、このブログでご紹
介することは出来ませんが、いろいろ
な方にお話をお聞きしてご紹介してい
きたいと思っています。
投手苦難のこの時代に、バッターを抑
える画期的なムービングファストボー
ルを駆使するピッチャーが出現してく
れると面白いですね。
何はともあれ今のソフトボールでは、
私の日本リーグと全日本総合の最小
投球数は、
「永遠に不滅です。」
になりそうです(祝)
今日はここまでにしますね。