急遽メールマガジンの続きをご紹介
して、今日のブログにさせて下さい。
すみません。
現在世界選手権のために遠征中の
全日本チームは事前合宿地での練習
試合を連勝して、明日サスカツーン
に移動するという情報が入っていま
した。
31年前の世界選手権もいろいろ
ゴタゴタがありながら、やっと試合
が始まりました。
それではどうぞ。
----------------------------------
第26号のメニューはこちらです。
■昭和59年(その6)
■編集後記
-----------------------------------
■昭和59年(その6)
-----------------------------------
今回も世界選手権のお話の続きです。
いよいよ世界の強豪との戦いが始まりま
した。
16ヶ国が2つのセクションに分かれて、
予選リーグうを行い、上位2チームが
決勝トーナメントに進出するという方式
でした。
日本が所属したセクションには、
優勝候補のアメリカ、ニュージーランド
と、ジンバブエ、アルゼンチン、香港
パナマ、メキシコがいました。
アメリカかニュージーランドのどちらか
に勝たない限り、決勝トーナメントに
進出するのは難しいと考えられていまし
た。
しかしこの時代、この2か国にカナダを
加えた3強とその他の国との力の差は、
いかんともしがたいほどありました。
日本は初戦のニュージーランド戦では
大健闘しましたが、1-3というスコア
で負けてしまいます。
この試合、家竹選手のランニングホー
ムランで1点を取るという奇跡のような
ことが起こり、これで調子に乗った家竹
選手は、この大会首位打者、得点、打点
最多安打の四冠を獲得することになりま
す。
2試合目のジンバブエ戦は15-1の大勝
3試合目のアメリカ戦は1-5で敗戦
4試合目のアルゼンチン戦は16-9で
勝利
5試合目の香港線は27-0と打ちまくり
ました。人間の感覚ってすごいですよね。
ニュージーランドやアメリカのピッチャー
を見た後では、アジア人のピッチャーの
ボールはとても遅く感じてしまうもので
した。
6戦目はパナマ戦で10-0の完勝
7戦目もメキシコ戦を6-0で退けて、
予選リーグを5勝2敗で終了することに
なりました。
もう一つのセクションはカナダが全勝で
1位通過、中華台北とドミニカが5勝2敗
で並んだため、決定戦を行い3-2で中華
台北が決勝トーナメントに進出します。
この試合を見ていた私たちは、この2チー
ムよりは自分たちの方が強いと確信してい
ましたので、同じ5勝2敗なのにこの決定
戦に参加できないことを残念に思っていま
した。
結局優勝はニュージーランド、準優勝は
カナダ、三位アメリカ、4位中華台北とな
りましたが、決勝戦の2失点はカナダの
ピッチャーのマックウイリー投手の速球を
キャッチャーが捕れなくてパスボールにな
っての失点でしたので、そのボールはとて
つもなく早いボールでした。
日本はその後突然始まった順位決定戦で、
バハマに12-2、パナマに5-0で勝って
5位ということになりました。
しかし表彰は4位の中華台北までで、
それはとても悔しいことでした。
この時世界協会の副会長が中華台北の会長
でしたので、このあたりは政治的なものを
感じていました。
この感覚はこの大会の選手団長として参加
していたオーナーも感じていたようで、こ
の時に出来た中南米やアフリカの人脈を使
って、その後世界の副会長になります。
またこの世界選手権はそこに参加していた
闘犬センターの選手たちに貴重な経験をさ
せるとともに、ある特徴的な足り方を導入
するきっかけとなりました。
昔の闘犬センターの試合を見たことのある
人はお分かりになると思いますが、闘犬セ
ンターの試合開始のやり方は変わっていま
した。
試合前の整列をして挨拶をすると、そのま
ま各ポジションに付くのではなく、一旦
ベンチ前に戻ってレフト、センター、ライ
トに続いてサード、ショート・・・と
ホームベースからそれぞれのポジションに
走って行っていました。
これはこの世界選手権の時にドミニカが
やっていたやり方で、これを見たオーナー
が
「これ格好ええやないか。」
「うちもこれをやろう!」
ということになりました(笑)
最初日本でこれをやる時はイヤでしたよ。
何か恥ずかしいと言うか、何で普通じゃ
ダメなんだろうと思っていましたから。
けれどダラダラやると、もっとみっとも
なくなるので、しっかりやろうというこ
とになって、やっていました。
最初はこれを見た相手チームも観客の方
もザワザワしていたことを覚えています。
まあ、慣れてしまえば当たり前になるの
で、そのうち私たちも普通にやるように
なって行きました。
そして帰国していばらくは世界のスピー
ド感が残っていましたので、日本のピッ
チャーのボールがすごく遅く感じて、
打ちやすかったですね。
ただそれも長くは続かないことではあり
ましたが(笑)
今日はここまでにしたいと思います。
-------------------------------------
追加でお話すると、この大会の対ニュー
ジーランド戦で私たちは初めて
「スラップ打法」
というものを目の当たりにします。
バンドだと思って三塁手の大木選手と
一塁手の深見選手がダッシュします。
二塁手の私は一塁ベースのカバーに入る
ために一塁ベースに移動しました。
ニュージランドの左の2番バッターだっ
たと思いますが、何とバントはせずに
ショート方向にゴロを転がしました。
遊撃手の家竹選手は難なくそれを処理し
て一塁に送球したのですが、まさか打つ
なんて思っていなかった一塁手の深見選
手は一塁ベースに戻れるわけもなく、打
ったことに驚いて一塁ベースへの動きを
止めた私の間を、家竹選手の送球が抜け
ていきました。
「スラップ」を知っていたなら、難なく
処理してアウトに出来ていた打球でした
が、その時は
「え、これ何???」
と一瞬動きが止まってしまいました。
帰国してからこの「スラップ」をやって
みようと練習が始まります。
たぶんこれが日本のスラップのルーツだ
と私は思っているんですけどね。
今回の全日本も、また世界の強豪から
何か新しいものを盗んで帰ってくれるこ
とでしょう。
それが日本のソフトボールのレベルアッ
プにつながります。
勝敗も大切ですが、これも世界選手権に
参加する一つの目的だと思います。
がんばれJAPAN!
写真はニュージーランド戦でランニング
ホームランを打った家竹選手になります。
