
クラブチームの日本一が、実力日本一の
座に上り詰めるなんてことは、日本ソフ
トボール協会としては想定外の出来事で
した。
それを証明する事実としては、写真の
第1回クラブ男子大会の優勝チームには、
その年の最後に各大会の優勝チームを集
めて開催される、日本選手権への出場権
がなかったことですね。
インターハイの優勝チームに出場権があ
るのにもかかわらずですよ。
クラブチームはいわば「草ソフト」の代
表くらいの捉え方だったんでしょう。
しかし、高校生以下とは・・・・・
その程度の位置づけだったクラブ大会の
優勝チームが
「闘犬センター」
であったことから、ソフトボール界に
想定外の動きが起こることになりました。
最初にかみついたのが、当時高知県ソフ
トボール協会の会長(だったと思います)
であった闘犬センターオーナー弘瀬 勝
でした。
「日本ソフトボール協会の主催の大会の
優勝チームでありながら、日本選手権
の出場資格がないのは、いったい
どう言うことだ。」
日本ソフトボール協会を相手に大ゲンカ
です(笑)
紳士ばかりの集まりであった日本ソフト
ボール協会の役員、理事、事務局にこの
人と対等に戦える人はいません、言い換
えると、こんな訳の分からない人をまと
もに相手しようなんて人はいませんでし
た。
一方的に言いまくり、ついには
「組織強化委員」
という役職を勝手に自分で作って、日本
ソフトボール協会に入り込んでしまいま
した。
それからオーナーの日本ソフトボール協
会での出世はものすごく早かったです。
商売人であったオーナーは、これまで
冷遇されてきた地方の理事等を味方につ
けて、自分の地位を上げて行きます。
こんなことはオーナーにとっては朝飯前
の事でした。
オーナーの口癖は
「バカと利口がケンカしたら、バカが勝
つ。」
でした。
これなんかもそのやり方そのものです。
それで、第2回からはクラブ大会の優勝
チームが日本選手権に出場出来るように
なり、毎年出場辞退をしていたインター
ハイ優勝チームの出場権が無くなりまし
た。
ところが第2回クラブ大会の優勝チーム
は、宿敵「鴨田体育会」になってしまっ
たところが、世の中面白いところですね。
鴨田体育会も日本選手権で大健闘をして、
クラブチームの実力を証明してくれます。
そしてその後闘犬センターがクラブ大会
を連覇しながら、日本選手権への挑戦を
続け、ついには「実力日本一」の座を
手に入れることになります。
ここまでくると、想定外も相当大きく
それた想定外になっていました。
まさか実業団や教員チームの強豪が、
クラブチームに何回も負けるようになる
なんて。
1回はまぐれで勝つこともあるでしょう
が、年によっては全タイトルをクラブチ
ームである闘犬センターが独占するよう
なことになるわけですから、日本中の
チームの合言葉は必然的に、
「闘犬を倒せ!」
になりますよね。
ですから、どのチームも闘犬センターに
勝った時の喜びようと言ったらすごかっ
たですよね(笑)
まるで優勝でもしたかのような喜び方を
していました。
その分、負けた時の悔しさが大きかった
のが想像できます。
やりたいようにやられ、言いたいように
言われ、本当に悔しかったんだろうと思
います。
ただ、その勝った試合が決勝戦でない場
合には、その後の戦い方に注意が必要で
した。
闘犬センターに勝つことに一生懸命にな
り、さらには勝ったことで我を忘れるく
らい喜んでしまうと、ちょっと燃え尽き
たような感じになってしまいます。
厚木市で開催された神奈川国体の時も
そうでした。
1回戦はホンダエンジニアリングの埼玉
県が相手でした。
開会式直後の試合でしたので、先発の
大木投手を開会式には参加させず、横の
練習グランドでアップをさせるという、
普段やらないような用意周到な作戦で
臨みました。
けど、普段やらないことはやっぱり
ダメでしたね(笑)
時間の経過とともに大木投手には大きな
プレッシャーが襲い掛かって、実力を
十分に発揮できずに初戦敗退となってし
まいました。
想定外の初戦敗退で予算の余った高知県
チームは、その晩ホテルの1階にあった
お寿司屋さんで大盤振る舞いをして、
美味しいお寿司をたくさんいただきまし
た(笑)
負けたものは仕方がないとほとんどの者
が思っている中で、
「やっちまった!」
と小さくなっていたのが、大木投手でし
た(笑)
大丈夫、あんなプレッシャーのかかる
やり方をさせた、我々の責任です。
大木君もう忘れましょう(笑)
勝ったホンダはそれこそ優勝でもしたか
のような喜び方でしたが、翌日の試合で
負けてしまいました。
闘犬センターに勝ったことで、安心して
しまったんでしょうかね?
この頃になると闘犬センターの日本一は
想定外ではなくて、当たり前になってい
て、全国の日本一を目指すチームの目標
にさえなっていました。
本当に世の中、どうなるのか分からない
ものですね(笑)
今日はここまでにします。