選手紹介(36-3) | ソフトボールを愛する人にお届けするブログ

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すみません、もう1日だけお付き合い
ください。

日本ソフトボール協会が発行していた
JSAソフトボールという雑誌に、

「昭和57年度活躍した選手たち」

「記録委員会集計結果」

というのが載っています。

この年に活躍したピッチャーは勝ち星
で言うと、8勝で三宅さん(群馬教員)
宮川さん(トヨタ自動車)、そして

「7勝で私」

の3人が群を抜いているとなっていま
す。

奪三振数は59イニング投げて43個の
三宅さんが、ダントツでトップ。

2位が57イニング投げて29個の私と、大
健闘ですが、これだけ差があると・・・

私はこの年防御率0.494と頑張ったので、
誌面では

「健投が光る」

と誉めていただいています。

この年はバッターとしても3割1分を
打って、打撃の記録にも乗っています
ので、良い1年でした。

ピッチャーとしてはたぶんこれが自己
最高の成績だと思います。

これ以外で目立った成績というと、

「日本リーグで最初の完全試合達成」

「日本リーグと一般男子の最少投球数」

でしょうか。

ライズは浮かない、ドロップは落ちない。

使えるのはストレートとチェンジアップ
だけ(笑)

これでここまでやっていたので、それは
それでたいしたものだと思います。

この完全試合や最少投球数の記録を作っ
た頃は、コントロールだけには自信があ
りましたので、ボール半分の出し入れな
んかは、普通にやっていました。

バッターとしてはとらえたつもりが少し
だけずれるという感じだったのでしょう
か。

いつでも打てそうなボールが来るもので
すから、打ってしまうんですね。

けれど、結果はアウトになる。

そんなことの繰り返しが、1イニング4
球とか5球で終わることに繋がって、
最少投球数になっていました。

今の飛ぶバットとボールではとても無理
なことですし、今ピッチャーやってなく
て良かったとつくづく思います。

以前にもご紹介しましたが、西村投手
入部とともにピッチャーのポジションが
なくなってしまった私は、練習しても
投げられないのならとピッチャーを辞め
ることを宣言します。

「田中規夫が辞める時は、自分も辞める」

も実行せず、

「ピッチャー辞める時は、闘犬を辞める」

も実行せず(笑)

2回も闘犬センターを辞めるチャンスが
ありながら、そのチャンスを生かせず
25年間も闘犬センターで生きてきまし
た。

私くらいの実力の人間が、長く続けたこ
とで普通なら経験できない、世界選手権
出場や海外遠征も経験できましたし、
日本国内もたくさんの所に行かせてもら
うことが出来ました。

行ったことがないのは、青森、岩手、秋
田くらいじゃないかと思います。

良い思い出ばかりではありませんし、
空港とホテルと試合会場しか知らない所
もありますが、行ったことがあるだけで
もすごいことですよね。

闘犬センターが始まった頃チーム内では、

「他人に引っ張られるな、自分で引っ張
 れ。」


と言われていて、自分から声を出して
やれと言われていました。

ですから声の出るとても元気なチームだ
ったんです。

ただし、他人を攻撃するなとも言われて
いました。

しかし、力のない時代です。
少し力の上のチームと試合する時は、
上手く行かないことの方が多いですよね。

すると、ちょっとバカにしたような野次
が飛んでくることがありました。

そこで力を発揮するのが

「反骨心」

です。

「クソ!バカにしやがって。」

「やり返しちゃらあ!」

です。

言われて下を向いたら負けです。
これが闘犬センターの力のないころの
やり方になりました。

腹立ちに任せて、相手を攻撃する言葉も
吐くようになって行きます。

闘犬センターのあの口汚い野次のルーツ
はこの辺にあります。

その中心に私がいたことは間違いありま
ん(汗)

皆さんは「闘犬」を見たことがあるでし
ょうか?

犬の喧嘩ですので最初は唸ったり、少し
吠えたりしていますが、いざ勝負になる
と声を出した方が負けになりますので、
一切声を発しません。

強いものは声を出さないものなんです。

杉本さんがこのイメージですね。

また、西村選手くらいのレベルになると、
何も言わなくても勝負が出来ます。

私くらいのレベルでは、大きな声を発し
強く見せないと相手に自分の弱さを見透
かされてしまうと感じるのでしょう。

よくキャンキャン吠えるわけです。

「闘犬」に対して「スピッツ」みたいな
ものですね。

スピッツさんごめんなさい。
今のスピッツはそうじゃないですが、昔
スピッツが流行った頃は、血統の悪い犬
が多くよく吠えていました。

最初は「反骨心」で吠えていたものが、
チームが強くなり、そのチームの実力が
自分の実力と勘違いをしたころからは、
相手チームや個人を威圧したり、バカに
したりの発言になっていきました。

そうです、調子に乗ってしまったんです
ね。

けれど、曲がったことは嫌いです。

それは相手が強いとか弱いとかは関係
ありませんでした。

ですから、トヨタ自動車の井川監督を
試合中に

「こら、井川!」

と呼び捨てにしたこともあります(笑)

言い訳ですが試合中だけですよ。
井川さんはフィリピンで開催されたアジ
ア選手権の時にお腹を壊した時に、トレ
ーナーとして参加していた私が、お灸を
してあげたり献身的にお世話しています
からね。

普段は言いません。
試合中だけです。

ただこの試合の後は、トヨタ自動車の
田中誠一先輩が寄ってきて、

「ヒロシ、井川さん怒っちょたぞ。」

「そんで、俺が怒られたやんか。」

「やめや!」

と抗議されました(笑)

その時は田中誠一先輩には

「すみません。」

と素直に謝りました。

北海道の国体の時は、日本協会のやり
方に不満がありましたので、その首謀
者とされていた理事の宍倉さん、日本
体育大学の下奥先生がやり玉でした。

「こら、宍倉!」

「こら、下奥!」

今考えたら怖いです(笑)

この件は先日日本ソフトボール協会の
横田事務局長と昔話をしている時に
この話しが出て、確認は出来ないけれ
ど、どうも問題になった件は理事会の
決定を受けずに実施されたもので、
そのあとの手続きは間違いがないみた
いということが分かりました。

あの時代に闘犬センターというか、
日本ソフトボール協会会長弘瀬 勝に
対して、ものを言うことがどれだけ
勇気のいることだったのかと痛感させ
られる話しですが、その時にこれを聞
いていたら、あんなこと言わなくてす
んだのにと思いました。

「ヒロシは言いだしたら聞かん。」

この言葉を

「意思が固い。」

と勘違いしてしまいます。

自分の意見を曲げないというのは、強さ
ではないと今は思っています。

弱さゆえに踏ん張っていただけ、本当の
強さは相手の意見を受け入れる柔軟性だ
と実感しています。

そういう意味では、杉本さんの強さは
特筆されるものだと痛感しています。

それは「怖さ」として感じていましたの
で、チーム内では

「本当に怖いのはお杉ちゃんやき、お杉
 ちゃんを怒らせたらいかん。」


とずっと言ってきました(笑)

さらに、他人の勢いを自分の勢いと
勘違いしてしまう若さがありました。

ソフトボール命みたいに思っていた頃
もありました。

「ソフトと仕事どっち取る。」

と聞かれたら

「ソフトボール」

と迷わず言ってしまう感じですね。

実際に公務員辞めた時は、それも理由
の誘因になっていました。

大きなものは

「隣の芝生は青い。」

「公務員以外の世界を見ていると、
 そちらの方が良いように見えた。」


「自分はそこでもやれる。」

と勘違いしたことでした。

『若気の至り』ですが、失って分かる
公務員というものの信用力でしょうか。

後悔はしていませんが、周りの人は
さぞかしハラハラしていたんだろうな
と、この年になると思います。

ピッチャーを辞めてからは野手として、
選手引退後はバッティングピッチャーや
トレーナー、時にはマネージャー、時に
影の監督(?)としてチームに関わって
きました。

私ごときがこうやって闘犬センターを
語り、優秀な先輩や後輩を紹介できるの
も、この優秀なチームメイトのお蔭だと
思っています。

先日も日本ソフトボール協会の事務局に
ずかずか入って行きましたが、それも
昔のお付き合いがあってのことですし、

日本女子リーグに行って、おどおどしな
くていいのも、これまでの経験のお蔭で
す。

本当に有り難いことだと思います。
これが若い頃に分かっていたら、敵も作
ることもなく、違った人生だったと思い
ますが、すでに手遅れですね(笑)

この25年間の経験と出会いを大切に、
もう少しソフトボールと関わって行こう
と考えておりますので、今後ともよろし
くお願いします。






右打席、左打席の写真です。

私は元々右バッターです。
すごく右腕に頼った打ち方でしたので、
良く言われる

「ドアスイング」に近いものでした。

力はありましたので、当たればそれなり
に飛んではいくのですが、問題も多く
感じていました。

そこで練習の時に遊びで左で打ってみた
ら、まずまずいい感じなんですね。

それから左右で打つようになりました。

誰にも相談せず、勝手にです(笑)

試合も勝手にどちらで打つか決めていま
した。

それを許してくれるのが闘犬センターで
した。

結果を出せば文句は言わない。
自己責任ですね。

言うても聞かんので、言わなかったのか
な(笑)

これで終了です。

来週からはちょっと違った視線での
ブログをお届けしようと考えていますの
で、どうぞお楽しみに。