選手紹介(34) | ソフトボールを愛する人にお届けするブログ

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ついにこの人の出番です。

「日本の大砲」

「世界のピストル」

「岡本選手」

です。

日本では有数の長距離バッターですが、
世界に出ると上には上がいるもので、
私たちは彼を

「ピストル」と呼んでからかっていまし
た。

彼は岡豊高校から闘犬センターに入って
きました。

私の最初の印象は、まあ良くなかった
ですね。

最初の一緒の遠征のことでした。
たぶん山形の日本リーグかなんかの帰り
の飛行機の出来事でした。

たまたま羽田からの帰りの飛行機の座席
が、岡本選手の隣になりました。

飛行機の座席の間の「肘掛け」って、
一人分しかないですよね。

隣が大先輩の私です。

この岡本選手のすごいところは、この
一つしかない「肘掛け」を、何の遠慮も
することなく、断りをいれることなく、
羽田から高知の間ずっと使い続けたこと
です。

「こいつ、頭悪る!」

「常識ってものはないのか。」

最悪の印象のスタートでした(笑)

ただ「打つ」ことに関しては「天才」
しか言いようがない、素晴らしい才能の
の持ち主であることは、間違いありませ
ん。

先日岡豊高校の恩師「弘瀬拓生先生」
話しをしているときに、たまたま岡本選
手の話しになって、弘瀬先生いわく、

「あいつは感覚だけで打っているようだ
 けど、あいつなりにちゃんと理論があ
 って打ちよった。」


「例えばライズを待っている時は、目線
 を高めいっぱいにしておいて、目線か
 らボールが消えたらボールなんです。」


「消えなかったら打ちにいけば、打てま
 す。」


と言っていたそうです。

素晴らしいボールの見極め方ですよね。

ボールを体の近くまで引き付けてから、
打っているということです。

これが高校生で出来ているのですから、
たいしたものです。

闘犬センターに入ってきてからは、相手
が大人のピッチャーになりましたから、
当初はそのスピードと変化に対応できず
にいましたが、それも少しの期間でした。

ただ凡打する時にいったい何を待ってい
るのか理解できない形で終わるので、
杉本さんと二人で、

「お前、ライズ待ちゆう時はどうやって
 待ちゆう?」


って聞いてみました。

帰ってきた答えは

「僕は、来たボールにバットが出ます
 から。」


私なんかのレベルでは、握りや手の角度、
指の間が空いているかなんかを見て、
球種を絞って打ちに行っていたもので、

「いかんお杉ちゃん、こいつは次元が
 違う!」


となって、それ以降岡本選手のバッティ
ングに口を出すことはありませんでした。

バッティングに関しては「天才」の岡本
選手ですが、それ以外の守備、走塁も
「天才」だったかと言われれば、それは
違いました(笑)

守備範囲は「手の届くところ」です。

「狭~い。」(笑)

走塁はセンスなし。

ある時岡本選手が三塁にいました。
やらかしそうだったので、

「岡本、ライナーはバックせえよ。」

と言いましたが、それでも不安だったの
で、

「打球が野手の間を抜けるまで、ベース
 を離れるな!」


と指示をしてありました。

予感は的中し、痛烈なショートライナーが
遊撃手の正面に飛びました。

言っておいて良かったとサードの岡本選手
を見たら、バッターが打った瞬間に飛び出
していて、ダブルプレーになっていまし
た。

ベンチでそれを見ていた全員が倒れまし
た。

「おいおい、出るなってあればあ言うちょ
 たろうが!」


まあ、こんな感じです(笑)




こんな愛すべき彼が写真のように

「キャプテン」を務めるようになり、

闘犬センター解散後は

「高知パシフィックエェーブ」

「大監督」として、選手兼任で頑張って

おられます。

昨年からは「高知ソフトボール協会」

「理事長」の要職も務められれておられま
す。

これだけの成長をした選手は岡本選手だけ
かもしれません。

もう彼を「岡本」などと呼び捨てには出来
ませんね。

最近はお会いしても

「おはようございます、理事長。」

ときちんとご挨拶するようにしておりま
す。

いろいろと大変なことも多いでしょうけ
ど、ますます頑張ってください。

もうないとは思いますが、もし今後飛行機
の座席が隣になった時は、「肘掛け」
あなたが使っていただいてかまいませんか
らね(笑)

今日はここまでにしますね。