
この写真は西村信紀君、18才の
闘犬センター入部当初の、投球フォーム
です。
若さいっぱいの、力強いフォームですね!
彼は高知商業の出身ですが、最初から
ソフトボールをしていたわけではありま
せん。
最初は高校野球の名門、高知商業野球部
に入部します。
後にソフトボール部でもバッテリーを
組み、闘犬センターでもバッテリーを
組むことになる森澤選手(現デンソー
女子ソフトボール部監督)とも、この
野球部で出会っています。
いろいろあって野球部を退部することに
なり、ソフトボールを始めることになり
ました。
昔、高知県は野球王国と呼ばれていまし
た。
高知県の男子のソフトボールの強さは、
野球が作ったと言ってもいいでしょう。
中学校までは野球をやっていたが、高校
からソフトボールに転向するというパタ
ーンが、多かったように思います。
高校で野球をやっていたけど続けられず
にソフトボールに転向、または高校に
野球部が無かったために高校からソフト
ボールを始めるとかですね。
私たちの頃(今から40年前)は、この
パターンが高知のソフトボールを支えて
いました。
その後ソフトボール王国と呼ばれるよう
になると、その基盤となったのは、
中山間部にある小規模の小学校や中学校
になります。
生徒数が少ないので、クラブの数が多く
ても満足な活動が出来ないために、
例えば男子はソフトボール、女子は
バレーボールという種目に限定して活動
を行っています。
この小さな中学校の生徒が、
岡豊高校や高知工業などに集まって強く
なるというのが、次の世代でしょうか。
現在高知県はさらに少子高齢化が進んで
しまっていますので、この強さを支えて
きた中山間地域の小規模校1校では
チームを組めなくなってきていて、合同
チームで活動という情況が生まれてきて
います。
高知のソフトボール王国は風前の灯火と
なってしまうのでしょうか?
また、話しがそれてしまいました。
その活動の場所を野球からソフトボール
に移した西村君は、持ち前の身体能力で
すぐに頭角を現して、すごい球の速い
ピッチャーがいると話題になります。
しかし、同級生に学芸高校の有吉選手と
いうスーパースターが存在していました。
有吉選手は高校の全タイトルを独占する
ほどの、完成された高校生でしたので、
粗削りな部分の残る西村君は、有吉君の
壁を破ることができず、全国的には無名
のまま高校生活を送ります。
唯一西村選手の高知商業が有吉選手の
学芸高校を追い詰めたのが、高校3年生
のインターハイの県予選決勝でした。
高知商業が勝っていた情況で、ピッチャ
ーゴロを一塁に投げてアウトにすれば
高知商業の勝ちという時に、西村選手は
やらかします(笑)
自分の力を理解していない西村選手は、
一塁に向かって矢のような送球をして、
それを一塁手が取れずに失点して、目の
前にあったインターハイ出場という夢は
はかなく消え去ってしまいました。
西村選手にはこんなところがありました。
自分の力を本当に理解していない、
例えばピッチャーゴロを取って、至近距
離からとてつもないような早い球を投げ
て来るとか、ピッチングをしていても、
球種も言わずに突然変化球を投げるとか
を平気でやります。
これについては何回も私に怒られていま
す。
「お前の投げる球は凶器ながやき、投げ
る距離を考えて投げろ!」
「変化球投げるがやったら、そう言え!」
「そうじゃなかったらキャッチャーが
壊れる!」
まあ、何回か言いましたが、西村選手に
したら生まれてきてから自分の筋力はあ
って当たり前のものっだったのでしょう
から、また同じことをやって怒られてい
た若い時代でした(笑)
その投げている西村選手がどっちに曲が
か分からないボールを、いとも簡単に
受けていたのが森澤選手でした。
送球に難はありましたが(笑)、
キャチングの上手さという点では、
天下一品のものを持っていました。
彼無しで、西村選手の成長は無かったと
行ってもいいと思います。
入部当初の西村選手は、球は速いけど
コントロールはないので、三振か
フォアボールかみたいなピッチングでし
た。
入部当時のチャッチャーは大館さんでし
たが、キャッチャーとしては組み立ても
できず、ただ壁のように来た球を受ける
だけという作業になりますので、
「最低のピッチャーや!」
と言われていました(笑)
この彼が努力と研究で日本の大エースに
成長していくわけです。
持って生まれた身体能力とセンスだけで
今の地位を獲得したわけではないことは、
言うまでもありません。
さらに彼は対戦チームだけではなくて、
オーナーや闘犬センター内での戦いを
勝ち抜いていかないといけないという、
大きな試練をくぐる抜けて、どんどん
その頭角を現していきます。
大変だったですね、西村君(笑)
今日はここまでにしますね。
明日はこの続き、チーム内での冷遇の
様子などを、西村君の談話を交えてご紹
介したいと思っています。
どうぞ、お楽しみに!