読書時間:3.5h
一読:あり
再読:なし
R指定:なし
著者:ブレイディみかこ
原題:PUT YOURSELF IN SOMEONE'S SHOES
刊行:2024年5月
価格:750円+税
出版:文春文庫
#一万円選書
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コロナ禍にエンパシーについて考えた
外して、広げる
溶かして、変える
経済にエンパシーを
彼女にはエンパシーがなかった
囚われず、手離さない
それは深いのか、浅いのか
煩わせ、繋がる
速いシンパシー、遅いエンパシー
人間を人間化せよ
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エンパシーを「闇落ち」させないために
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足元に緑色のブランケットを敷く
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エンパシーとは他者の考えや感情を想像する能力のことである。
能力なので後天的に習得することができる。
シンパシーと区別するために認知的共感と訳すことがあるが、共感と訳されることが多い。
サブタイトルのアナーキックはアナーキーのことである。
セックス・ピストルズのおかげで無政府状態や荒くれ者のイメージだが σ(゚∀゚ )オレ、全然ちがった。
落としどころを見つけて問題を解決する、というのは当たり前のようで、そうでもない。
落としどころは常識の範囲に収まることがほとんどだ。
マダガスカルでマラリア撲滅活動の支援を止めたとき、多くの子どもの命が失われた。借金さえなければ支援は継続していたではずである。それに関連して、
デイヴィッド・グレーバーが”借金を帳消しにしろ運動”をしていると言うと、それを聞いたアクティビストの女性は
「借りたんだから返さなきゃ」と答えたという。
子どもを救うためでも、債務は返済するものという常識は覆らない。
違う考え方や信条をもつ人びとが、落としどころを見つけて問題を解決するのが民主主義であり、自治すなわちアナーキーなのだ。
常識に囚われず、他者の靴を履く(人の身になって考える)のが、エンパシーの第一歩である。
人の身になって考える、というのは日本での意味とは、全然ちがう。
トマス・ディロンが迷惑について記事を寄せている。
My Sense of Meiwaku(2007/2/17)
人に迷惑をかけてはいけないというのは、他者を慮っているようで、そうでもない。
日本は集団というわりに、個々で生きている。

人を煩わせたくないって事は、逆に人に煩わされたくないというわけですよね
日本人はシンパシーは得意でも、エンパシーは苦手と思う。
それを裏付ける非認知能力は最低レベルという記事も。
「自分のことを理解できないと、他者を理解できない」本当の理由
他者の靴を履くのに必要なことは、アイデンティティを取っ払うことである。
父、息子、会社員、クラブのメンバーなど、個人にも様々な顔がある。それは、犯罪者にも様々な別の顔があるということである。
アイデンティティを取っ払って他者の靴を履くことができたらどうなるか?
あとがきが面白い
エンパシーは共感を強制していない。他者の靴を履いた結果、嫌いになることもありうる![]()
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本書で引用されるブルシット・ジョブの著者デイヴィッド・グレーバーの”借金を帳消しにしろ運動”について考えた。
借金が帳消しになる世界は、
お金を貸してくれる人がいなくなりそう
帳消し目当てに借りまくる人もいそう。
そもそも帳消しは誰が決めるのか。

アナーキーを解っていなかった![]()
世界に適用する必要はなく、自治の範囲で適用すればいい。
車のローンは帳消しでもいいと思う人はいなくても、奨学金は帳消しでもいいと思う人は多いだろう。
プリズン・サークル(2019) 監督: 坂上香

