読書時間:6.5h
一読:あり(序章と7章)
再読:なし
R指定:なし
原題:BULLSHIT JOBS A Theory
著者:デヴィッド・グレーバー/訳:酒井隆史、芳賀達彦、森田和樹
刊行:2020年7月
価格:3700円+税
出版:岩波書店
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20世紀末には週15時間労働になるという予測を問い直す
序章 ブルシット・ジョブ現象について
ブルシット・ジョブとはなにか?
どんな種類のブルシット・ジョブがあるのか?
なぜ、ブルシット・ジョブをしている人間は、きまって自分が不幸だと述べるのか?
ブルシット・ジョブに就いているとはどのようなことか?
なぜブルシット・ジョブが増殖しているのか?
なぜ、ひとつの社会としてのわたしたちは、無意味な雇用の増大に反対しないのか?
ブルシット・ジョブの政治的影響とはどのようなものか、そしてこの状況に対してなにをなしうるのか?
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1930年、ジョン・メイナード・ケインズは、20世紀末には週15時間の労働で済むようになると予測した。
現時点、それは実現していない。
2013年、ブルシットジョブ現象についてという記事がウェブマガジンにアップされた
On the Phenomenon of Bullshit Jobs: A Work Rant
この記事が大いにバズった。
共感した人が寄せた感想をもとに仕事について考えたのが本書である。
ベーシックインカムと人間の本質のとらえ方は一読の価値ありなので、序章と7章だけ読むのが良いかもしれない。
ブルシットジョブの定義、中世の仕事の価値観などは、短くまとめれば良かったと思う。
ベーシックインカム:
すべての人に一定のお金を配る制度。試験的に導入されたことはあっても実現した国はない。
あった方がいいかもくらいに考えていたが、考えを改めた。
ベーシックインカムの新の目的は、生活を労働から切り離すことにある。
そこそこの収入が保障された世界では、上司は気品と敬意をもって部下に接しなければならない。なぜか?
部下は経済的ダメージを感じることなく「辞めてやる」と言えるからだ。
明日から収入がなくなったらどうしようと悩むこともないので、やりたくない仕事なら転職すればいい。
すべての人に一定のお金を配る制度は、現在の制度のムダを詳らかにする。
給付を受ける人が正当な資格があるか調査することを資力調査という。
日本では生活保護や失業手当などの給付がそれにあたる。
生活保護は、受けることの精神的な負い目や、窓口で追い返されるなど、給付のハードルが高い。イギリスでは失業手当の受給資格のある人の60%が給付を受けられないらしい。
生活保護という制度を運用するために、規則を作成する官僚、規則を執行する裁判所、労働年金者、申請者を支援する活動家、活動家を雇用するNGOに資金援助する機関で働く被雇用者、というプレーヤーが登場する。
ベーシックインカムはすべての人が対象なので、これらのプレーヤーが不要になる。
ルールを作ると適合しているかチェックする作業が発生してしまう。
余談だが決め事の少ない夫婦のほうがうまくいきやすいらしい
生活保護は、一番高い東京で13万円
毎月一定のお金がもらえたら、まったく働かない人もいるだろうが、多くの人はそうではない。
意味のない仕事をしてると感じている人が多いから、ブルシットジョブの記事はバズったのだ。
誰でも一定のお金がもらえたら働く人はいない、と思わされていることが幻想で、多くの人はやりがいのある仕事を求めている。
人間の本質は怠惰ではない。
怠惰であると思わされているのは、資本主義のせいなのか、何なのかは分からない。ただ、
人間の本質は怠惰であるという前提で制度が設計されているのは間違いない。
『本書は特定の解決策を提示するものではない。人びと存在に気づきさえしなかった問題-ほとんどの人びとがその-についての本なのだ』
本書の目的は果たされていると思う。
週15時間労働は絵空事と思っていたが、何か心に引っかかった。
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ブルシットじゃない仕事のひとつにIT系が挙げられていたが、ブルシットは大いにありまたね~ (  ̄- ̄)トオイメ
社名やプロジェクトは無理なので、役割で挙げるとPMOかな。
あなたの周りにPMOという役割の人がいたらブルシットです![]()
日本語が分かりにくいというレビューが多数ありましたが、そうは感じませんでした。
巻末の苦労話に、訳者の方々にお疲れ様でしたと言いたいです。

