読書時間:2.0h
一読:あり
再読:あり
R指定:なし
著者:吉村仁
刊行:2012年4月
価格:780円+税
出版:ちくまプリマー新書
進化原理は共存と共生
素数ゼミと絶滅回避の進化
生きものの数の不思議
リスクへの適応
男子が多く産まれる訳
生き物たちの共生
絶滅を避けるための行動
環境によりよく適応できた種が生き残ったというのは、ダーウィンの自然淘汰説である。
絶滅しなかった種 が生き残ったというのが、本書の進化原理1である。
死亡率が高いから多く産まれるのではなく、死亡率が高いほうが多く産まれない種は絶滅する。
多くの絶滅は、これで説明がつくのではないだろうか。
ネアンデルタール人は現生人類に滅ぼされたとする説も、おそらく正しくない。
モンシロチョウの例を見てみよう。
モンシロチョウはキャベツ畑に9割の卵を生むが、1割をイヌガラシなどアブラナ科の植物に生む。
幼虫にとってはキャベツ畑のほうが良いが、キャベツ畑は農薬が撒かれたり、収穫されたりする。
すべての卵をキャベツ畑に生んだら、滅亡してしまうかもしれない。だから、イヌガラシに卵を生むのではない。
1割をイヌガラシに生む気まぐれなモンシロチョウが生き延びてきたのだ。
競争排除則: 同一リソースを共有する生物はお互いに排除する
森林に一種類の植物が生えていることはなく、サバンナでは草食動物が仲良く草を食べている。
現実に合っていないのに正しいとされているのは実験で確認されているためだが、エサが十分にあるときに成立するという結果が出ている。
エサが多いと排除しあうとは、なんという皮肉
人間が争うのは、食うに困ってないからかもしれない
森林の数理モデルでは共生・共存は再現できず、4種が限界という。
実に面白い!こんな身近に謎があるとは!
数理モデルは想像なので、なんでもアリ。
・増えすぎない: 連作障害があるように、栄養分や微生物が偏ると増えることが不利になる。
・じゃない生きかた: 高い木に日光を遮られたら、冬眠のような違う生きかたに切り替わる。
この2つで共生・共存できる。(たぶん)
再読ありは、算術平均、幾何平均、調和平均 の復習用