同調圧力の正体 | サンディの今日もワイン

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サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

読書時間:2.5h
一読:ありかも
再読:なし
R指定:なし
著者:太田肇
刊行:2021年6月
価格:920円+税
出版:PHP新書

 

本本本本本本本


同調圧力の正体は未分化
 

1なぜ日本社会はこれほど窮屈なのか
2圧力をエスカレートさせるもの
3パンドラの箱が開いた平成時代
4コロナで露呈した日本の弱点
5同調圧力にどう立ち向かうか

 

......

 

同調圧力は日本特有ではない。
組織論を専門とする著者が最も圧があるのは、日本という。

要因は3つ
「同質性」、「閉鎖性」、「未分化」

日本は移民が少ないので同質性はヨシ

 

閉鎖性は縦割り。労働組合が企業別なので転職はサポートしてもらえず、同業他社は認めないなど、日本には転職しにくい背景がある。

未分化ではフランスの公務員の例を取り上げている。
転職が少なく長期雇用が一般的、定期昇給もある環境で、有給が取りやすく同調圧力が少ないのはなぜか。
職務が明確に定められているためだが、契約社会ならありだろう。
日本には馴染みが薄いので、定めればフランスのようになるか分からないが、分化が必要なことは理解した。

全く違う仕事をしていれば、手伝うことは難しくなる。
フロアがヒマでも忙しい厨房を手伝うのは難しい(たぶん)
別部署を一つの島に集め、同じ仕事をする人が遠くにいれば、帰りにくい雰囲気はなくなりそう。

......

 

組織: 特定の目的を追求するために作られる
共同体: 自然発生的で情によって繋がる

ホーソン研究では人間関係が生産性に影響するという結果が得られている。
組織が共同体になりやすい日本で生産性が低いのはどういうことか。(本書には書かれていない)
共同体がイデオロギーを持つと認知的不協和の解消に繋がり、悪い方へ向かってしまうことがある。
大阪府警の例では、犯罪件数ワーストワン返上という目標がイデオロギーになり、犯罪を過少申告していた。
組織が共同体になることが悪いことのように書かれているが、日本では悪い方へ向かいやすいのかも。
凡庸な悪と言われたアイヒマンも共同体の産物なので、世界的!?

 

家庭は身近な共同体である。
共同体はゼロサムゲームなところがあり、食器洗いをサボると他の誰かが替わりにという性質がある。
 

同調圧力に屈しないためには、準拠集団を共同体の外にもつのが良いらしい。
身近な共同体である自治会も加入者が減っているし、PTAも誰もやりたくない。



   

 

どこに参加すればいいのか分からない。