ザ・キルスコア 資本主義とサステナビリティーのジレンマ | サンディの今日もワイン

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サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

読書時間:3.5h
一読:なし
再読:なし
R指定:なし
原題:Der KILL SCORE Auf den Spuren unseres ökologischen und sozialen Fußabdrucks
著者:ヤコブ・トーメ/訳:鈴木素子
刊行:2023年6月
価格:2000円+税
出版:日経ナショナル・ジオグラフィック
本本本本本本本本本本本本本本本本本

 

フードマイレージやフットプリントのような「キルスコア」という新たな指標を提言する

プロローグ
1予備知識
1キルスコアに至る道のり
2キルスコアを科学する
2犯行現場
3炭素排出と気候危機
4廃棄物汚染
5労働関連死
6匿名消費と孤独
7暴力・戦争・紛争
3裁判
8検察側立証
9弁護側弁論
10判決
エピローグ
.........

あなたの行動でどれだけの人を死なせているか
それを見える化するのが「キルスコア」

学者は伝え方が1割と著者は感じており、刺さる指標として思いついたそうだが、ある編集者はボツにした。
こんなの出しても出来ることはわずかで、無力感を感じるだけだと。
キルスコアが刺さるか刺さらないか別にして、取り組みは無駄ではない。

キルスコアは、気候危機、廃棄物、労働、匿名消費、暴力・戦争・紛争について見積りしている。
影響は以下の通り
 廃棄物>気候危機>労働>匿名消費>暴力・戦争・紛争

廃棄物が最も影響があるとわかるだけでも十分ではないだろうか。
ちなみに気候危機は、一人が80歳まで生きるのに排出するGHGで一人を死に追いやる計算になるという。

確かにこんなん出されても無力感しかないsippai;*

 

.........

 

とてつもなく大きなことに立ち向かうときは、ハチドリのひとしずくを思い出すようにしている。

 

私は、私にできることをしているだけ(I am only doing what I can do.)

 

できることは小さいだけに間違った方向へは進みたくない。

本書で取り上げている一つにグリーンボンドがある。
要はエコな投資だが、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)やマクドナルドが含まれていることがあるそうな。

BATは2030年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げている。
エコっぽい感じだが、カーボン・フットプリントにはカラクリがある
スコープという区分が1から3まであり、1は直接排出、2は間接排出、3は1と2以外 となっている
BATがカーボンニュートラルにすると宣言しているのは1と2で、これは排出量の1割にしかならない。つまり3が9割を占めている。
エコな投資をするなら、よく調べましょう。
 

 

もう一つは投票
個人の努力は一人分でも、政策は万人の努力となるからだ。
国が後押しすれば、やらざる負えなくなるだろう。

例えば太陽光発電。
元を取るのに11年かかると言われている。

「元」てなんだよ

経済的な指標しか見ていないから、元が取れる取れないに終始してしまう。
キルスコアで表してもピンとこないし、頭が硬いので思いつかないhu-*

緑の党はエコぽいけど、投票先としてどうなのか!?

できることは小さいだけに間違った方向へは進みたくない。