地球46億年気候大変動 炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来 | サンディの今日もワイン

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サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

読書時間:4.0h
一読:あり
再読:あり
R指定:なし
著者:横山祐典
刊行:2018年10月
価格:1200円+税
出版:講談社
本本本本本本本本

古気温復元の歴史

プロローグ

1気候変動のからくり
2太古の気温を復元する
3暗い太陽のパラドックス
4「地球酸化イベント」のミステリー
5「恐竜大繁栄の時代」温室地球はなぜ生まれたのか
6大陸漂流が生み出した地球寒冷化
7気候変動のペースメーカー「ミランコビッチサイクル」を証明せよ
8消えた巨大氷床はいずこへ
9温室効果ガスを深海に隔離する炭素ハイウェイ
10地球表層の激しいシーソーゲーム

 

 

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260万年間、地球は氷期と間氷期をくり返している。現在は間氷期で、氷期に入る手前にある。
氷期のCO2濃度は180ppm、間氷期は280ppm、現在は400ppmである。
これはヤバいのだろうか!?

太古の気候を知れば分かるはず。

気候変動で1番大きいのは、プレートテクトニクスによるもの、2番目は海洋である。
プレートテクトニクスは数千万年単位なので、あまり関係ない。

ミランコビッチサイクル、ハインリッヒイベント、D-Oサイクル等々、様々な周期で気温が変動することは確かめられているが、
氷期にCO2濃度が下がる要因は分かっていない。
あまりに規則的なので、要因は一つと考えられてきたが、どう計算しても氷期のCO2濃度にならないので、やっぱり複数かも、という状況になっている。

プラスのフィードバックとマイナスのフィードバックが持ちつ持たれつで、今の地球がある。
プラスのフィードバックが働くときは、恐竜時代のときのように暑くなったり、スノーボールアースになったりする。ちなみにスノーボールアースでも深海は凍らない。
マイナスのフィードバックは、暑いときは寒く、寒いときは熱くなるように働く。

スケールの大きい順に気候変動イベントを並べる。
 

南極氷床コアの記録

 

ハインリッヒイベント

 

グリーンランド氷床

 

ダンスガード・オシュガー(D-O)サイクル

 

 

ミランコビッチサイクル、ハインリッヒイベントはスケールが大きいので、おいとく。
もっともスケールの小さいダンスガード・オシュガー(D-O)サイクルによれば、ど~ンと寒くなる時期だが、そうなっていない。
(数十年で10℃も気温が変動するというD-Oサイクルのグラフが理解できず、不自然な縦線が数十年を表すと気づくのに3日かかりましたahaha;*

 

そろそろ寒い時代になるはずなのに、そうならないのは何が起きているのか?

要因は分からなくても、直近260万年でもっともCO2濃度が高いという事実の前に、マイナスのフィードバックは効いてないように見える。

数十年で10℃も気温が変動するなら、今は暑くなる時代じゃあないか?
南極の氷は大きくなっているから、実は温暖化してないんじゃあないか?

本書を一読すれば、これらは正しくないことが確実に分かる。
何となく環境を意識してる人も、温暖化してないと思いたい人も読むならここから。
 

 

以下は本書と内容が被っています。

 

 

 

 

メモ太古の気温は、二酸化炭素の同位体比または酸素の同位体比の測定で復元できる。

 

著者の研究に敬意を表して、測定はかなり大変

復元できると簡単に言ってはいけないと、つけ加えておきます。