読書時間:4h
一読:あり
再読:判定不能
R指定:なし
著者:伊藤隆
刊行:2015年4月
価格:880円+税
出版:中公新書
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史実を追いつづけた紆余曲折な回想録
共産主義との出会いと訣別
昭和史へ
木戸日記研究会のことなど
革新とは何か
ファシズム論争
近衛新体制をめぐる人々
戦前・戦中・戦後の連続性
茨城県議会史と東大百年史
明治の元勲から岸・佐藤まで
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昭和天皇崩御
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インタビューからオーラル・ヒストリーへ
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竹下登、松野頼三、藤波孝生
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海原治、渡邉恒雄、宝樹文彦
終 史料館の挫折と人物史料情報辞典
古いものほど残っていないのが歴史だが、日本では、戦前より明治の方が記録が残っている。
戦前からの昭和史を追っている伊藤氏は、史料が少なくて苦労している。
有用なのが手紙や日記だが、親族の同意が得られず見せてもらえないことも度々ある。
存命の場合はインタビューもしているが、当人が戦前戦中に書いたメモと違うことを言ってたりする。ヤレヤレヤレヤレ
こんな状況なので、やりかけのタスクが残っているのもやむを得ない。なので、
伊藤氏は「人物史料情報辞典」を作ることで、後世に受け継ぐことを思い立った。例えばこんな感じ、
伊藤博文:
○×出身。初代内閣総理大臣。憲政資料室の○×に史料あり。○山×太が研究中。
ある人物に対して、史料がどこにあるか、誰が研究中という情報を載せた辞典なのだ。
試みは凄くいい。でも、高い!(辞典なのに学術書価格!?)
専門家は高くても買うのだろうが、一般人には歴史が遠く感じる。ただ、伊藤氏の歴史を追ってきたエピソードは面白かった。
史実を書いただけなのに、親族から苦情がきたり、「昭和初期政治史研究」では、事実しか書いてないと書評家から言われたり。
ときどき(おそらく無意識に)ディスりも入り、林先生の共同執筆エピソードには笑った。それと、
一次資料に対する凄み。
親族に同意が得られなくても何年も連絡を取り続けるというのは、並大抵ではない。引っ越しや建て替えで故人の手紙や日記は処分されるケースが多いことを体験しているからだ。
それらの資料は「憲政資料室」にある。気軽に見られないようだが保管には適しているのだと思う。
本書を読んで、今の人たちが後世に何を残すべきか判ったように思う。
