年収は「住むところ」で決まる ~ 雇用とイノベーションの都市経済学 | サンディの今日もワイン

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サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。


読書時間:4h
一読:必読
再読:なし
R指定:なし
著者:エンリコ・モレッティ/訳:池村千秋
刊行:2014年4月
原題:THE NEW GEOGRAPHY OF JOBS


アメリカの地域経済格差の分析


本書でいうイノベーション産業とは、集積効果により発展する産業を指す。
アメリカの事情なので日本には当てはまりにくいが、イノベーション産業が生まれるとしたらどこだろう。
「あらゆるイノベーションはローカルなもの」に従えば、東京、秋葉原、品川、渋谷、、、う~ん、イノベーションの匂いがしないw

場所ではなく店ならある「FabCafe」@渋谷

すごく面白そうだが、ここからイノベーションが生まれる可能性は低い。

本書の結論の一つが「イノベーションは興せない」だが(ここまでハッキリとは書いてない)、イノベーションに必要なことは書いてある。

それは、厚みのある高技能労働市場、多くの専門サービス業者、知識の伝播の3つ。

FabCafeが切っ掛けになることはあっても、一歩外へ出れば飲食店しかない渋谷がイノベーションの街になることはないだろう。


都心から離れるが「つくば」も面白そうな街である(そもそも都心に近い必要は無い
ahaha;*

ロボットの街つくば」を見ると、サイバーダインをはじめとする企業はそれなりにあるが、学び場が少ない。

「シリコンバレーが生まれたのはスタンフォード大学があったから」という説を著者は否定しているが、大学は必要条件であると言っている。つまり、

つくばにはロボットの街として盛り上がるために必要な高技能労働者が足りていない。

国の「ビッグプッシュ」を期待したいが、これが非常に難しい。本書の一部を抜粋すると、

『どういった企業を誘致すべきかの判断はプロのベンチャーキャピタルでも難しいのに、不振にあえぐ都市の首長には無理難題』

ビッグプッシュについて抜粋すると、

『ビッグプッシュの期間に雇用が増えただけではダメ。重要なのは、ビッグプッシュにより民間の力で維持存続できる一線を越えさせること』

いまさら降りられない賭け事のようだが、「もんじゅ(ホムペ ショボ!
sippai;*)のように降りられない前例もあるので、やると決めれば結果が出るまで投資できるだろう

プロのベンチャーキャピタルでも難しい投資について、無責任な立場で言うとこんな感じsippai;*

・大学のロボット工学部を誘致(新しい大学は不要)
・学割の飲食店と住居をチャリ移動圏内に集中(つくばは広い)
・あらゆる民間事業の税制優遇

インターネットが発達したこの時代に、なぜ集積なのか?

本書に度々出てくる「知識の伝播」は距離が重要だという。
それは、知識の伝播がリアルで行われることを意味する。

本書によれば、身近にロボット技術者がいて刺激し合う環境があれば、イノベーションが発展するハズだ。


イノベーションが発展している街の方が賃金が高い。

これが、著者の導き出した結論である。
結論とはいえ統計なので、ベルリンのような例外や、フォードランディアのような残念な例もある。他にも、

・寂れた街の大卒より栄えた街の高卒の方が年収が高い
・寂れた街より栄えてる街の方が平均寿命が長い
・大卒より高卒の方が喫煙率が高い

例外があるとはいえ、統計が無くても合っているように思える。年収云々ではなく、本書の結論は

スタンド使い同士は惹かれ合う 牛は牛連れ馬は馬連れ

インターネットが発達して地球の裏側のことまで知ることができるようになったのに、より同じような人たちが集まるようになってしまった...