皆さん、こんにちは
シニアAです
いつもSE道場をお読みいただきありがとうございます
前回のSE道場はGPIB制御がすっぽ抜けていたところまででした
続きをどうぞ・・・
『調子はどうですか』
ある日、お客様から声がかかった。
『はい、思った以上に順調です』
『ハードウェアの調子はいかがですか』
『悪いところは全く無く、すこぶる順調です』
『じゃあ、残すはGPIB制御ですね』
『GPIB』
『やだな~見積依頼書に書きましたよ』
『えぇ し、失礼します
』
ヤバイカバンの中にしまっておいた見積依頼書を取出し、順に見ていく・・・あった、書いてあった
たった一行・・・
『上記全てのコマンドがGPIB制御による遠隔コマンドで実行可能なこと。』
心臓がバクバクいって、まったく収まらなかった・・・
納期まではあと2週間あるが、いまから始めて終わるかどうかだ
設計もしていない。
コーディングもしていない。
そもそもGPIBとはなんだ
当時はインターネットなど存在しない時代
調べる術がない
このままじゃだめだ。一旦会社に戻ろう
その日の夕方、お客様のところからとぼとぼと引き上げ、本社に向かった
ありがたいことに、会社に戻ると頼りになる先輩が残っていた
私は先輩に事情を話した。
ユーザが一行しか書かないとはひどいと言っていた。
私だけが悪いのではないことがわかり、ほっとした。
とりあえずGPIBのことを先輩に聞いた。快く教えてくれた
GPIBは計測機器間のインターフェースで、通信が容易にできるようだ
送信元の自機番号と、送信先の機器番号と、送信内容を送れば、必要な機器だけが情報を読み取る仕組みだ
通信はuPD7210チップがおこなうので簡単にプログラミングできそうだ
先輩は別なシステムのGPIB部分のコーディングも見せてくれた。
それから私は水を得た魚のように、私は全機能のGPIBコマンドを定義し、設計書に加えていった
そして数日のうちに、私は設計を終え、ユーザレビューを済ませ、コーディングも行った
納期まで6日間を残していた
デバッグは6日で十分だった
結論から言えば納期も守ることができた
多分自分一人のプロジェクトでなければ、こんなスピードは出なかったと思う
会社は売上が低くなってしまい損をしてしまった開発だったが、私にはたった一行の文言にも細心の注意を払うことを学べた開発だった
その後、見落としなどは一切なかった
次回のSE道場をお楽しみに・・・
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