若者の怒り | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで33年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 
フランスの高校生が、教育環境の改善を求めてデモを行っていたが、欧州各地に飛び火し悪化している。
 
2026年9月中旬にパリ郊外の高校で始まった教員不足や施設老朽化への抗議運動は、フランス全土で数十万人規模のデモに発展。この若者主導の動きに触発される形で、10月に入り周辺国でも公共支出の削減や生活費高騰、福祉システムの逼迫に不満を持つ若者や労働組合による抗議活動が連鎖している。
 
ミラノでは、外国人生徒の割合を原則30%に制限する教育政策に反対のデモが行われた。
 
「誰も外国人ではない」“ Nessuno è straniero”を掲げ、デモ後には旧市立遺体安置所を占拠。教育改革、家賃高騰、軍備拡大への反対も訴えている。
 
外国人生徒に関わる件は、政府側は「適切なイタリア語の習得と統合のため」としているが、移民の多い地域(ミラノには数箇所あるが、郊外は更に多い!)では、既に半数以上の小学校でこの割合を超えており、実態に合わないとして強い反発が起きているようだ。
 
余談だが、我が家の前には医療施設があり、その中でも身体や学習障害を持つ児童・生徒の施設もあるが、ここ数年外国人もかなり増えてきているように思える。
 
そうなれば学校での授業も担任以外のサポートもスタッフも必要になる。我が家の長男は高校入学時、まずイタリア語の試験(外国人のためのイタリア語試験)を受けさせられた事もあり、イタリアで育っているのに屈辱だ!と言っていたが、イタリアで生まれ育ってもイタリア語で授業についていけない外国人生徒が多いのも事実なわけで、教育の現場は大変なのは確実だ。またコミュニケーションを取れない保護者も多い。移民受け入れの皺寄せであろう。
 
16日、デモ団体は、デモの終着点付近にあった「元公営遺体安置所」 "ex obitorio comunale"(現在はミラノ大学の敷地・教育スペースとして譲渡されている空きビル)の柵を壊し、学生たちが中に入り込んで一時的に建物を占拠し、「誰も外国人ではない新たな学校」としてのシンボル的な抗議活動を行った。
 
ちなみに講義内容は教育政策(外国人枠制限、公立学校の予算削減)に留まらず、社会的な問題全般に及んだ。
 
政府主導の差別的とされる規制への抗議、都市部の学生を苦しめる住宅危機の解決を要求。また、教育や医療などの公共サービスが削られる一方で、軍事費(防衛費)が増額されていることへの批判。(日本も怒れ!)
 
けれど、デモ活動は、必ずドサクサに紛れて大暴れする馬鹿者がいる。ミラノでは、警察が催涙ガスを使用したというが、怒り狂った若者たちがドウモ広場に火をつけ、周りの店舗が破壊されている様子をニュースで見た。靴屋のウインドウが割られ、侵入し、靴の箱を大量に投げつけていたが、箱を持って逃走する若者もいた。もうそれは犯罪である。
 
50人近い学生が逮捕されたが、その半分が未成年であった。
 
昨日今日と近くまで出かけていた割に、騒ぎは直接見ていないが、聖なるドウモ広場が戦場と化した。恐怖に駆られた観光客、閉店せずを得なかったお店。略奪された店舗...反乱と暴動のショッピングセンター。

 

武力による強制的な鎮圧だけでは不満が地下に潜るだけで、いずれ再燃する。

 

「厳格な法執行」によって暴力を止めると同時に、「対話」による融和政策と強硬政策、つまり飴と鞭のバランスが重要なのだろう。

 

とはいえ、破壊行為は建設的な抗議ではないのはわからないのだろうか。