昨日、歌の師匠の息子さんであり、空手の門下生でもあるG君が、アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)の患者さんを中心としたコーラスグループを指導しており、この度創立10周年ということで、記念コンサートに出かけて来た。
司会者の方から「今日はコンサートではありません。リハーサルなので皆さんも歌ってください!」と冗談まぎれの挨拶から始まった。
コンサートが始まり、皆ちゃんと歌っているではないか!と思ったが、13、4人のアルツハイマー病の方々の周りには、同数くらいのボランティアの方もおられ、一緒に歌っておられた。私たちの歌の師匠もキーボード奏者として参加されていた。
プログラムを見ると、「儚い記憶のための世代を超えた合唱団」とあり、曲目も50年代から最新でも2017年の曲であった。
ところで、アルツハイマー病は、認知症の原因として世界で最も高い割合(約60〜70%)を占める、言わずと知れた脳の疾患。脳に特定の異常タンパク質が蓄積し、脳細胞が徐々に減少することで引き起こされると言われている。
進行スピードは、個人差があり、年齢や体調、生活環境等様々な要因が関係するといわれているが、それでも比較的ゆっくり進行するのが特徴だと言う。
プログラムの曲が古いものばかりであったのは、やはり脳の記憶の仕組みが深く関係しているのだろうが、私達だって、5、60代であれば、ピンクレディの曲は今でも踊れるし、聖子ちゃんだって明菜の曲だって空で歌えるのは、子供や青春時代に聴いたた音楽というのは、脳の深い部分に残っているといった感じ。きっとアルツハイマーの方だって同じことだろう。懐かしい曲を聴くことで、感情が穏やかになったり、当時の思い出を語りだしたりするのだろう。
コーラスの方々が疲れない様、2-3曲歌うたび、司会者が話したり、指揮をしていたG君が話をしたりしたが、本当に休憩が入り、飴が客席にも配られた。笑
以前、故教皇ベネディクト16世がホスピスなどの施設を訪問された際、アルツハイマー病などの重篤な患者の苦痛を和らげるためには、最先端の医療ケアだけでなく、「常に患者に寄り添う愛と連帯の具体的な行為、理解、慰め、励まし」が不可欠であると強調されておられた。
患者の皆さんは明るく踊ったり、大きな声を出して歌っておられた。日本では65歳以上で認知症を発症する人は約6人に1人(約16.7%)であり、そのうち約67.6%がアルツハイマー病と言われている。自分もなる可能性も多いにあるわけで、アルツハイマー病や認知症に関する理解を深め、患者や家族が希望を持つことは非常に大事だと感じた。
帰宅してあまりにも素敵であったので、G君が空手の門下生だったと言うこともあり、空手仲間の友人にコンサートの事を話した。
考えてみれば、G君は、高校生の時からこのボランティアをしていたことになる。そして、ご両親が音楽家であると言うこともあるけれど、歌が非常にうまくて驚いた。友人は、「確固たる信念を持った若者だ。そんな青年は今時珍しい。歌という芸術を分かち合うことは、彼にとっても名誉な事であろう。」と言っていたので、G君にもメッセージを転送してあげると、非常に喜んでいた。
この活動が、もっと周りに知られ、15周年、20周年…とコンサートが続きますように。

