ものづくり 〜 晴れ舞台 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで33年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

ついに次男が大学を卒業した。あっという間だったな。

 

高校選びの際、美術系か工業系か悩みに悩んで、工業高校の機械科を選んだが、やはり大学はデザインに行きたいといって受験。受験科目で高校では学んでいないこともあったが、ポリテク二コの受験講座に通い、合格。

 

子供の頃からもの作りが好きだった。材料を与えると、夢中になって色々工作を楽しんでいた。

 

ところで、イタリアの大学には、日本のような入学式もなければ卒業式もない。一人一人が勝手に卒業するのだが、正確に言えば、大学や学部ごとに大体の卒業できる時期、というのは決まっており、各自準備が整った時点で卒業するのだ。

 

本来次男は夏休み前に卒業予定だったが、卒論に時間をかけたいと言って秋まで延ばした。

 

コロナ後なかなか夫の仕事が回復せず、私も仕事をし始めたのを横目に、自分もバイトをし始め、奨学金で大学に通ってくれた。日本の返済が必要な貸付型の奨学金とは異なり、返済不要な給付型。しかもプラスアルファ色々お金が出て、イタリア様様、ポリテクニコ様様。それが当たり前ではなく、自分が受けた恩を何かの形で将来的に社会へ貢献してもらいたいものだ。

 

イタリア統計局(Istat)のデータによれば、イタリアでは25歳から64歳までの人口のうち、大学卒業資格を持つのはわずか20.1%であり、欧州連合(EU)平均の32.8%を下回っている。


大学及び高等教育を受けた人口は、イタリアは欧州内で依然として最下位圏にとどまっていると言う。もちろん地域格差もあり、中部・北部では卒業者の割合が30%前後であるのに対し、南部では約20.7%にとどまっている。(25~34歳層)。

 

最新の調査では、イタリアの大学卒業生総数は増加の兆しを見せているようだが(年間40万人近くに迫っている)、欧州諸国との格差は依然として大きいし、高学歴になればなるほど就職難でもある。

 

とはいえ、イタリアの大学におけるデザイン教育の水準は極めて高く、ポリテクニコ(ミラノ工科大学)はQS世界大学ランキングなどの世界ランキングで上位に位置している。

特にポリテクニコは、プロダクトデザイン、コミュニケーションデザイン、ファッションデザインの分野では、世界トップクラス。

 

こちらが次男の3年に渡る大学生活の記録。

 

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こちらのワインクーラーはバイト先にも置かせてもらっている作品。

 

 

 

灰皿は、友人知人に作って売っていた。笑

 

 

 

最終年度に作っていた作品であるシンク。

 

 

学生一人一人が名前を呼ばれ、卒業成績を発表され、卒業証書受領、署名をする。
 
イタリアの大学の卒業成績は110点満点で評価され(合格最低点は66点)、卒業論文の発表・審査の評価が加点されて110点満点で算出される。優秀な成績の場合に追加点として110+L(ローデ)が与えらえる。ちなみに、各科目の試験は30点満点で採点され(18点以上が合格)これまでの平均点に加えられる。
 
残念ながら110+Lには至らなかったが、なんとか100点は超えられた。100+Lの学生も結構いたが、センスだけで今後上手くいくとは限らない。厳しい世界だ。

 

  

 

そして、イタリアで卒業といえば、月桂冠。日本酒ではなく、月桂樹の葉の冠である。笑 

 

ダンテ•アリゲーリなど中世の偉人がよく頭に月桂冠をかむっている。元々は、ギリシャ神話のアポロンとダフネの物語に由来し、ギリシャやローマ時代から光明神アポロンの霊木として神聖視された樹木、それが月桂樹だった。

 

Decanta Dante il 18 alle 18.00 - IL PENSIERO MEDITERRANEO

 

これは、知恵を見につけた人のシンボルのようなもので、特にイタリアでは「学士を修めた人」”Laureato"という言葉も月桂樹(Lauro)から来ている。

 

本来、月桂冠のリボンの色は、学科によって色が様々なようである。デザイン科は黒らしいが、実際黒のリボンをしている人はおらず、ほとんどの人が赤で、たまに白の人がいただろうか?長女の時は、友人から大量の月桂樹の枝を頂き、赤いリボンでまとめたが、彼女の文化人類学部は白いリボンであった。

 

セレモニーのあとは、各々がスプマンテを片手に大学の中庭でミニ・パーティ。

 

この日のためにスーツを作り(私は羽織袴を着させたかったが即却下された!)肩まで、あった長い髪も日本人の美容室に行かせカットさせた。

 

ここのところ、友人の卒業セレモニー続きで、卒業式前夜はなんと1時半に帰宅。そこで、靴がない!ベルトがない!と言って大騒ぎしたのだ。しかも、当日も私は朝一番にメルカートに出かけ、帰宅すると、家の前でライオンのたてがみのような髪の毛と汚い恰好で自転車に乗った次男に遭遇。どこ行くの?というと、パーティ用のポテトチップやピッツァを買ってくると…なんで今頃?苦笑

 
 
セレモニーも無事終了。
 
大学の中庭のあちこちで、各学生と家族や友人たちが、持ち寄ったスプマンテや食べ物を広げ、音楽などをかけてお祝いをしていた。
 
私はその後仕事があったので、乾杯だけしてその場を去った。

 

卒業はしたものの、今後どうするのか?今の時点、大学院まで行く気はないと言う。実務インターンをしてみたいと言うことだが、まだ若く、親元にいればなんとかなるだろうが、インターンとしては、そうそう収入は得られない。インターンとして働くことに満足してしまい、本来の目的である「正社員就職」への活動が長引くと、職歴の空白期間が伸びて不利になるリスクもあることだろう。まあこれは親の老婆心なのかもしれない。まだ若いからこそ経験を積むことが出来ると言うこともある。

 

とりあえず努力は実り第一歩を踏んだということ。

 

おめでとう!

 

立派に成長してくれて親の誇りだな。親はただただ見守ることしか出来ない、と改めて思った。