健康診断の季節 2026 〜 乳腺科 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで33年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

1年8ヶ月ぶりに胸のマンモグラフィ(以下「マンモ」)とエコーの検査に出かけて来た。

 

コロナ前まで毎年帰国した際、誕生月の7月に人間ドッグで検査を行っていたが、毎年帰らなくなったため夏休み明けに、ホームドクターの指示によりいくつかの検査をミラノでするようになった。その中で、2年前の胸の検査の予約は空手仲間の有力なコネ(?笑)を使っても3ヶ月待ちであった。(ミラノに住んでいれば、誰もが知っている大きな医療センターだ)

 

12月に受けて、微細石灰を指摘された。(実際は2014年の人間ドックで「乳腺症」は認められていた!)微細石灰は癌化する可能性もあるということで、精密検査を勧められIEO(ヨーロッパ癌センター)を予約し、翌年2025年1月にマンモトームの生検を受けた。

 

検査に関しては以前書いたが、微細石灰の度、あの検査をするのはもう懲り懲りだと思ったが、乳癌で苦しんでおられる方々を思うと、その道を通っておられる方も多いはず。実際は懲り懲りだなんて、言ってはいけないのだろうなあ、と反省。

 

余談だが、イタリアでは婦人科検診(子宮頸癌)は25-29歳までが3年おきに、30歳以降64歳までが5年おきに無料で検査できるが、有料でもそれほど高くはない。上記、空手仲間のセンターでは、ホームドクターの処方箋さえあれば、予約なしで、受診できる。しかし、昨年は子宮体癌の検査を薦められ、癌センターへ予約を入れようとしたが、現在癌患者、または疑いのあるもののみの受診と言って断られてしまった。結局2004年、次男の妊娠・出産でお世話になった近所のドクターにお世話になった。

 

話はそれたが、1年8カ月ぶりのマンモとエコー。予約を1年半待ったが、いきなり担当ドクターに「なんでこんなに間があいているの?」といわれてしまった。思わず「こちらの予約が取れなかったのですよ!」と言ってしまった。IEOのシステムは最高だが、予約が取れないのは、それだけ癌患者が多いと言うことなのだろう。

 

予約をいれた1年半前の時点で支払い指示が出ており、当日までに支払っておくと、受付が早くすむ「Fast Pass」のコードが送られてくるシステム。オンラインでも支払いができたが、近所のバールで支払った。しかし、コミッションに2.75ユーロも取られ、びっくり!

 

予約は8時半であったが、家を6時過ぎに出た。久々に見た朝焼け。冬じゃなくって良かった。

 

 

予約はマンモが先で、30分前には受付をするようメールが前日来ていた。病院はミラノの南に位置するが、長いトラムに乗って、終点から更に南の郊外へ行くバスで一つ目の停留所。夫は毎朝7時にはオフィス入りするので、外環と南へ行くトラムの交差点でおろしてもらった。運よくトラムが来て、更にバスの乗り継ぎも良かったので、7時に病院入り。

 

IEOは1991年にミラノで設立され、著名な腫瘍学者ウンベルト・ヴェロネーゼ氏の構想に基づき、1994年5月31日に患者受け入れを開始。1996年には「科学的研究を目的とする入院・治療機関(IRCCS)」として正式に認定され、癌の治療と研究における世界的な卓越した研究拠点となり、日本からの研究者も多いと聞く。下は病院入り口画像。

 

 

時間がたっぷりあったので、一人バールで朝食。大きなバールは、患者や診察衣やナースウエアをまとった人たちも多かった。

 

 

近代的な病院も患者の心理状態によっては見え方も全く異なるのであろう。
 
間違って放射線治療の方へ行ってしまった。壁には、勇気や希望を与えるような詩や写真が沢山貼られていた。マンモの待合室は、同じフロアであったが、前回マンモトームをやった場所であった。
 
診察の2日前に、治療の心得としてマスク着用のメールが来ていたが、誰もマスクをしている人はいなかった。付き添いは患者一人につき、一人まで。一人で来ていたのは、私くらいであっただろうか?大抵はご主人またはパートナーが付き添っているようであった。さすが、イタリア!そういえば、次男の妊娠中、既に30後半で高齢出産の域に入っていたので、絨毛検査または羊水検査があり、その説明会も一人で参加。なんだかな…と思ったものだ。しかも、出産は立ち合い出産であったが、夫は3人目にして初めての立ち合い。ほとんど真っ青で倒れそうになり、助産婦に「大丈夫か?」と気遣われ、「産むのは私なんだよ!」と思ったものだ。笑 そりゃあ、母は強し!になるわけだ。
 
少し待って、医師と診断。前回のマンモとの映像と比較し、問題はないとのことであった。
 
それから棟を移動し、エコーの検査。
 
"Women's Cancer Center"と壁に描かれてあったが、乳癌は少数ではあるが、男性でもなる。待っている間に、男性の患者を二人見かけた。男性の乳癌は、全体の約1%程度と少ないものの、認知度の低さから発見や受診が遅れがちになるというジェンダー規範や医療体制上の課題があると言う。"Women's... " という命名も、いかがなものかと思ったし、近くに男性用のトイレもなく、男性患者が通院や待合室で心理的・物理的なアウェー感(孤立感)を抱えやすくならないか?気になった。
 
電子掲示板には、朝から午後までの予約番号が提示されていた。私は受付番号6番。10時の予約であったが、時間前に呼ばれた。イタリアなのに奇跡だ!笑 やはりここでもなぜ、前回から1年以上診察に間があいているのか?聞かれた。私に言わないでよ!
 
今回は特に問題なし。また1年後にお会いしましょう、と言われた。次回はもうホームドクターがヴァカンスがから戻り次第、すぐに処方箋をもらって予約するしかない!
 
マンモとエコーの検査結果は、ペーパーレスで、直接病院のサイトの個人ページ(クラウド上のサーバー)に送られ、保存される。日本の病院のシステムは全くわからないが、イタリアの病院はかなり進んでいるように思われる。
 
ホームドクターからの処方箋も全てオンライン。とはいえ、公立病院の予約にかなり時間を要するので、場合によっては、1年もしくはそれ以上待たされる。
 
とはいえ、病院のシステム化やデジタル化が進んでも、大病を患った際の身体的・精神的な苦痛や不安は少しも変わらない。効率化は待ち時間を減らす目的であって、病の重さからくる辛さを和らげるものではない。
 
医学の進歩は目覚ましいのだろうが、誰もが病気にはなりたくないわけで、病気を未然に防ぎ、健康な体を維持・増進させたいと強く願った。