独り言 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで33年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

月曜日は仕事前に太極拳のクラスに出かける。

 

教室は、仕事先に近いのだが、月曜日は、地元にはメルカートが出、バスは迂回してしまうので、10分ほど歩かないとバスに乗れない。その時間を思うと、地元の5号線の地下鉄に乗った方が早いのだが、乗り継ぎ、乗り継ぎ、しかも地下からの移動が面倒で、2-3分おきに来る4号線、5号線に慣れてしまうと、その他の地下鉄の巡回が非常に遅く感じてしまう。

 

乗り継ぎのタイミングが悪ければ、せっかく早く家を出ても、到着はギリギリか遅刻。月曜日はストレスだ。

 

いずれにしても、早く家を出たが、途中で太極拳の先生から連絡が入り、2号線に問題があってガリバルディーカドルナ間が止まっていると判明。地下鉄内の案内で、飛込があったため、更にガリバディからポルタ・ジェノヴァまで運航停止、とアナウンスがあった。

 

ATM(ミラノ交通公社)は直ちに救助および乗客支援体制を稼働させ、運行停止区間をカバーするための代替バスサービスをすぐに運行させた。とはいえ、大きなバッグを持って中央駅へ行くにはどうしたらよいか?と聞いている人もいた。気の毒だ…。

 

それにしても、私の目的地は運航停止間のど真ん中。最悪、まだ時間があるからカドルナから徒歩でもいけるか?と思ったが目の前を内環状線を走るバスが止まっていた。「もう発車しますか?」「サンタンブロージョは止まりますか?」と聞くと、すぐに出発で一つ目の停車であった。バスの扉が閉まっても、扉をたたいてくる人、また開くたびにいろいろ運転手に質問攻めにする人たち…。


乗客の一人がイライラして、「バスは次から次へと来るのだからそっちに乗って!もうこのバスは出発するのよ!」と言った。確かに、イタリア人は親切だし、融通が利きやすいが、それが良し悪しになることもある。

 

本来は、2つ目の停留所で降りたかったが、サンタンブロージョの交差点には、救急車やら消防車が止まっているではないか!後からわかったこだが、サンタンブロージョ駅構内の線路上で、21歳の青年の自殺未遂事件が発生したらしかった。容態は深刻ではなかったということだが、市内(特に中心部)の影響は著しかったはずだ。

 

太極拳のクラスは、大人も夏休みやら学年末が関係するのか?ここの所かなり人数が減ってきており、この事故のため、急遽欠席者が多く、出席者は4人と先生一人であった。

 

自殺未遂だったらしい、と私がいうと、「あ~暑いからね」と皆が口をそろえて言った。そうなの?

 

天気の悪さは、メンタルに影響が大きそうだが、異常な高温現象が、死亡の増加など健康に悪影響を及ぼすという警告を最近何かで読んだよ、という生徒がいた。確かに、帰宅して調べてみたら、自殺のリスクには、異常な高温より湿度の影響の方がはるかに明白に現れると言う事であった。驚いた。

 

21歳。次男と同じ年齢だ。現在高校の卒業試験であるMaturitàの真っただ中だが、大学の卒業かなど何か学業が関係していたのか?家庭の問題か?健康面か?まったくわからないが、「孤立」が追い込んでしまう悲劇がある。

 

悩みを抱え、苦しみを抱えていても誰かとそれを分かち合い、支え合うことができれば、人はその困難を受け止めることができる。大都市になればなるほど、孤立しがちであろう。ミラノでの自死率も増えてきている。

 

7月に入るとミラノの街中は一気に人が減っていき、観光客ばかりが目立つようになってくる。教会も今まで以上に高齢者ばかりになり、ミサの時間も減る傾向がある。孤立が多くの人を追い詰めることにならないか?

 

2年前に帰天した空手仲間のF爺は、夏を嫌っていた。奥様が先に逝かれてしまってからは、夏は特に孤独を感じると言っていた。彼らの誕生日や結婚記念日があったから、余計にそう感じたのかもしれないが。

 

夏の居場所づくり。仲間との会話…暑い中、改めて大切だと思った。