”剛柔相済” その2 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

偶然10年前の今日の日記。そしてここのところずっと考えていたこと。

 

空手を指導していて、体(身体操作)が硬すぎる人、または柔らかすぎて全く芯のない人にどうしたら、しなやかな中に粘りと強さを備えた動きを説明出来るか?悩んでいる。

 

ところで、先週空手仲間4人で、ミラノ市内にある他流の練習に参加して来た。柔術と組手の時間であったが、あちらの先生が直々基本的な護身術を教えてくださった。

 

個人的には初段昇段の際、幾つかの護身術を習ったが、繰り返し練習をしていないと忘れてしまうし、その後の護身術はコロナ禍でなくなってしまった。

 

話は基、武術として伝承されてきた沖縄空手を教室や道場は開かず、本当に信用できる人にしか見せない技を、弟子から弟子へと伝承している流派があり、まさに生き残りの先生に沖縄へ定期的に習いに行っている先生がミラノにおり、しかも開場30年というのに、全く存じ上げなかったのだが、昨年大会でお会いした。

 

奥様がクオーターの日本人で、彼女のお母様の名前だけは20年前に伺っており、彼女のお兄様も間接的に知っていたので、昨年からメッセージのやり取りをしており、道場見学に誘われていたが、やっと!その機会が実り、夜遅く、しかも家からは遠かったが、お邪魔して実りあるご指導を頂いてきた。

 

彼らの動きは、我々が日々やっている動きとは全く異なり、頭や体が何度もフリーズしたが、柔らかい動きの中で、相手の急所を突いたり、打ったりするが力がなくても自分より大きかったり、強い人を負かすことが出来る技は、正に目から鱗。決して力だけではないのだ。その身体操作云々ではない、伝承されてきている型の構造やら順番が、あれれ今の何?と言った形で攻撃になるのだ。それが習って来た型の動作の「意味」であったするたび簡単の声をあげてしまった。

 

しかも、接近戦は、円の動きで、なるべく相手から離れず、攻撃を交わし、短い距離で爆発的な力を出すというもの。あっという間の2時間で、練習後に開いて頂いた歓待の会では、ビールを一気に2杯飲んでしまった!爆 

 

先生は太極拳も教えられているが、やはり剛柔相済・快慢兼備!柔軟さや緩やかな動作は丹田の動き、そして丹田以外は脱力、そして腰の捻り、更には跳躍動作や震脚 (全身を沈め、大地を強く足で踏む動作) なんだろうな…と納得。もちろん呼吸法も重要だ。

 

自分がそれを体現しなければ人には教えられない。あーまた太極拳やろうかなあ?などと考えてしまった。いつやるの?苦笑 

 

あー武道は奥が深い!

 

今日の一句

脱力し 柳のように しなやかに!