かぼちゃ帽?1 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

一昨年前バッグとお揃いで作った帽子。バッグは口が壊れてしまい、帽子も大黒天か昔の給食係の帽子のようで気に入らず、昨年作り直した。

 

現在帽子の形は気に入っており、シッター先の三男には「パペッロ・ズッカ」と呼ばれている。本来はカペッロなのだが、カボチャの帽子なんだそうだ。

 

一度バスを待っている間に「写真を撮らせて欲しい」(あくまでも帽子!)と声をかけられた事があった。

 

先週、やはり仕事の帰り道、バスを待っていると「いくら?」といきなり声をかけられた。は?と思っていたら私の帽子を指差している。いくらと言われても自分で作ったから、既製品じゃないし...と言うと、「いくらで作ってくれる?」と聞かれた。

 

「毛糸がいくらだったか覚えていないし、何個使ったかもわからないから、なんとも言えない。」と答えた。細いビロードの糸で、流石にこれはメルカートでは売っていない。それに2年前に購入したものだから、同じ色の糸があるかどうかさえ確証がない。どうしてもその色の、その糸が良いと言うのだ。

 

翌日また彼女に会ってしまった。時間的に毛糸屋さんに出かけている暇がなかった。週末見て来てから連絡する、と言って連絡先を貰った。

 

週末までお店に行けそうになかったが、その間数回彼女に遭遇。彼女の身の上話を聞くようになった。

 

ペルー人で5年前に出稼ぎで親類を頼って来伊。その直後ご主人は交通事故で他界。3人子供を故郷に残しているのだと言う。夜専門のヘルパーさん。割と我が家の近所(らしい)の一人暮らしのおばあさんを訪問介護しているとか。日中はその娘さんがみているのだと言う。イタリアでも施設に入れず、ヘルパーに頼りつつ、自分で親を見ている人も多々いる。ただ90代の方と言っていたから、仕事の期間にも限界があるだろうなあ、と思う。

 

彼女のイタリア語はスペイン語とちゃんぽんであった。病院や施設で働くにはイタリア語の試験を受け、また介護云々の資格というかコースも受けなくてはならないはずだ。彼女曰く、ペルーに行く時は、本帰国だと言っていた。ちなみにこの彼女、私よりずっと年上かと思っていたら、2歳年下であった。かなり苦労しているようであった。

 

さて先週の土曜日、空手の稽古の帰りにお店によると、案の定同じ色の糸は無くなっていた。しかし似た色はあった。どうする?と画像を送り、連絡をすると似た色でも良いと返事。

 

 

 

サンプルが私の帽子の色。後は多少色が変わる。1番似ていると思われたカラシ色を購入。

 

編み出してみた。編み図もなくPinterest でいいな、と思った画像をモデルに再現しただけで、いざ作ろうとしたら、どれだったかわからない。自分の帽子を元にすると言っても、目が数えられない!(老眼が!) 少し大きめに作ってみた。

 

耳がすっぽり入るくらいに、と言うことだったので、私はベレー帽として作ったが、また違う形となった。

 

アイロンをかけ今日手渡そうとした。明日は仕事の後空手があるし、来週は1週間シッター先の都合で仕事なし。なのでどうしても今日彼女に渡したかったのだが、仕事先のパパさんは不在、ママさんもオフィスからの帰りが遅く残業になってしまい、ペルー人の彼女はもう仕事に行ってしまったか…と思い、メッセージを書いていたら、「チャオ!」といって現れた。あれ、今日遅くない?と聞くと大丈夫、と言っていた。
 
早速、帽子のサイズを見てもらうと、長さは良かったのだが、裾の部分をもう少し締めて欲しいということだった。なので、一度家に持ち帰り、裾を縮め、土曜日に受け渡しを約束した。
 

被るとこんな感じ。すっぽり頭を包み込む感じ。

 

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余った糸で、巾着袋。かぼちゃ巾着か?

 

冬が終わる前に...と言う話であったが、まだまだ冷えるミラノ。まだもうちょっと活躍してくれそうだ。
 
今日の一句
ニット帽 頭温め 心もポカポカ