タータ日記 〜 その123 チューリップ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

今や午後4時間だけの仕事だが、常にテンションマックスの3人の男児の子守りは生気を吸い取られている感じ。流石に私でも夜はぐったり。

 

幼稚園にお迎えに行くと、次男は毎回走ってきて私に飛びついて来て、そのまま両足も私の体に絡めてくる。流石に重くなり、降りてーと言ってもなかなか降りてくれない。体幹鍛えてなかったら一緒に倒れて大変な事になる!また長男の靴を履かせていると、今度は背中に飛び乗ってくる!勘弁して〜!

 

入り口は違うが同じ敷地内の三男も迎え、3人を連れて帰るが、大抵誰かが走るから、一方通行の通りではあるが、車の通りは結構あるし、通りのアパートからの車の出入りもあるので危険がいっぱい。どんなに注意しても言うことを聞かず、大声で叫びっぱなし。

 

通りすがりの人が彼らを捕まえ、こっ酷く怒られる事も多々。親にも報告し注意してもらうが、反省の色なし!もう気が気じゃないのだ。

 

最後に家の前で通りを渡るが、そこは今は工事中で車は入って来ないが、近い将来大通りから抜けられる道だし、今でもデリバリーの自転車やバイクは歩道でも走ってくるので、要注意。

 

少なくともそこを渡る手前にデザインオフィスがあり、ガラス張りになっているので、立ち止まり中を中を覗くのが子供たちの日課。

 

数人が働いている様だが、どうも代表格の方が出窓に色々な植物を植えており、一昨年前あたりなんとかコレアーノ、つまり韓国の何か植物を植えていた。ツインズのママさんが、地域の韓国レストランでシニョーレの家族を見かけたが、奥さんは韓国人らしい、と言っておりそうなんだ!と思っていた。

 

ある日、オフィスの前でアジア系の女性とハーフらしき男の子を発見。ツインズが話しかけて始めたので、当然だがイタリア語で会話。彼女は韓国人だとばかり思っていた。

 

しかし、彼女は日本人であったと判明!失礼しました!苦笑

 

ある時から出窓に幾つかの大きな瓶が並べられ、水草が入っており、小さなエビが育てられていたことがわかった。小指の先くらいの大きさでよーく見ないとわからない。時にすぐに隠れてしまう。

 

秋口から瓶と水槽はなくなった。また、そのシニョーレを毎回探すが、不在の事が多い。窓越しに毎回同じの会話。「ガンベリ?」「シニョーレ?」そして「ガンベリはいつ戻ってくるの?」「シニョーレはどこに住んでいるの?」「苗字は何?」…もうそれ以上聞いたら失礼よ…ということばかり。苦笑

 

ある時、走って行ったツインズがデザインオフィスの前で、中に向かって何か喋っていた。三男を連れやっと追いつくと、例のシニョーレから一本ずつチューリップをもらっていた。きっとオフィス用か自宅用に買っていたものではないだろうか?

 

赤と白一本ずつ。「もう一本、赤ちょうだい!」「僕も欲しい」と三男。そうこう言っているうちに葉をむしる長男。あーだめ〜!もうずうずうしいにも程があるし、毎回仕事の邪魔をしてしまい申し訳ないが、子供相手に丁寧に接してくれるおじさんたち。(きっと私よりはるかに若いはずだが...。)

 

結局シニョーレが持っていたチューリップ全てを頂いてしまった。

 

その日ママさんは在宅ワーク。玄関に入るなり「マンマー、お花のプレゼント!」と花束を持っていく子供たち。「誰にもらったか説明しなさい!」と添える。一応機会があればママさんにだってシニョーレにはお礼は言っておいてほしい。

 

すぐに花瓶に飾ったが、意外に花瓶の口は狭くうまく入らない。気づくと一本茎を短く折ってしまっているものもあり、その花瓶には入れられず、もう花瓶はなかったので、小さな飲み終わっていた水のボトルにさした。大きな花瓶のチューリップたちと家族だから一緒に並んで飾りたいと長男。可愛い。

 

「この花の名前わかる?」子供たちに聞くと「パパーヴェロ(ポピー)」と答える次男。「トウリパーノ」っと言うんだよ、と教えた。

 

毎回お騒がせ兄弟。いつかデザインオフィスのおじさんたちに感謝してくれる日が来るかな。

 

今日の一句

「思いやり」 花言葉に込め 愛でる花