イタリアの医療 〜 がん検査の案内 | ミラノの日常 第2弾

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イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

ここ数年、病気と言う病気ではないのだが、やたら病院や医師にお世話になるようになっている。それも加齢ということか。

 

とはいえ、予防医療も中高年には大切なこと。がんの予防と早期発見は、必須医療水準の一部であり、すべての国民に保証されなければならない必須サービスの一つであろう。 

 

・・・というわけで今週、大腸がんと乳がん検査のお知らせが来た。

 

 

 

 両方とも45-49歳は毎年、50-74歳までは2年おきに無料で行われる。

 

その他女性は子宮がん、男性は前立腺がんの検査が出来る。

 

子宮がんは、25歳と29歳の女性には3年に1度、30歳から64歳の女性には5年に1度、HPV検査を受けるよう呼びかけている(全地域への拡大およびPapテストからHPV検査への移行完了は2021年に始まり、2025年までに完了する予定)。 15歳の誕生日までにHPVワクチン接種サイクルが完了している女性については、30歳でHPV検査による最初のスクリーニング検査が実施される。

 

余談だが、子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染が原因。感染してもがんへ進行するまでには長い時間がかかるので、定期的に検診を受けていれば早期発見につながるというもの。

 

Papテストとは、いわゆる「細胞診」で、子宮頚部の細胞を採取して顕微鏡で調べる検査。この「細胞診」では、子宮頸がんのがん細胞だけでなく、感染によって変化し、がんに進行する「異形成」といわれる状態の細胞を発見できる。検査でポリープがある場合も、そこで採取され検査に出してくれる。

 

また、HPV検査とは、Pap テストと同様に採取した細胞が、子宮頸がんの原因であるウイルスに感染しているかどうかがわかるというもの。

 

話はそれたが、大腸がんの検査は、お知らせが来ると、その用紙と保険証となるカードをもって最寄りの薬局へ行くと、登録され、検査のためのキットが渡される。それを数日以内に説明書通りに検便、採取し、再び薬局へ持っていくだけ。問題があれば、すぐに連絡が入るようだが、そうでなければ、結果が郵送されてくるというシステム。

 

ちなみに、日本の人間ドッグで大腸がんの検査をした際は、2日分の採取が必要だったが、こちらでは一回のみ。

 

そして、乳がん検査であるマンモグラフィーは日時と場所が指定されてくるので、都合が合わなければ、自分で変更しなくてはならないが、そうでない場合はそれに従うのみ。勿論どれも無料である。

 

日本では自治体での割引があり、低価格とはいえ無料ではないし、自分で検診できる場所を探して予約…となると、どうしても忙しいと後になりがちだろう。そこが指定されており、検査キットもどこの薬局でもオッケーとなれば、非常に手間暇が省け、身近に感じるものではないだろうか。

 

がん検査をし、診断を予測することで、早期治療が可能となり、治癒の可能性が高まり、人々の生活の質の向上を期待できる。

 
健康だからこそ、そして大切な人のためにも検査はしておきましょう。
 
今日の一句 
がん検査 イタリア様様 ありがたい