冬の言葉 高村光太郎
冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が洗ひ出すのは万物の木地。
天はやっぱり高く遠く
樹木は思ひきつて潔らかだ。
虫は生殖を終へて平気で死に、
霜がおりれば草が枯れる。
この世の少しばかりの擬勢とおめかしとを
冬はいきなり蹂躪する。
冬は凩の喇叭を吹いて宣言する、
人間手製の価値をすてよと。
君等のいぢらしい誇をすてよ、
君等が唯君等たる仕事に猛進せよと。
冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が求めるのは万物の木地。
冬は鉄碪を打って又叫ぶ、
一生を棒にふつて人生に関与せよと。
冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が洗ひ出すのは万物の木地。
天はやっぱり高く遠く
樹木は思ひきつて潔らかだ。
虫は生殖を終へて平気で死に、
霜がおりれば草が枯れる。
この世の少しばかりの擬勢とおめかしとを
冬はいきなり蹂躪する。
冬は凩の喇叭を吹いて宣言する、
人間手製の価値をすてよと。
君等のいぢらしい誇をすてよ、
君等が唯君等たる仕事に猛進せよと。
冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が求めるのは万物の木地。
冬は鉄碪を打って又叫ぶ、
一生を棒にふつて人生に関与せよと。
今週は更に寒くなると聞いていたが、今日は外に出かけた途端、微妙な頭痛を感じた。眉間をマッサージしていて、ふと首筋を触ったら、首から肩にかけてゴリゴリに硬くなっていた。
やはり、外部環境が急激に寒くなると、急激に血管が収縮して血行不良の状態になるのだろう。
ところで空手の稽古後、道場に残って練習をしていると、空手仲間にいつものところ(スリランカ料理)に行くけど良かったら来る?と誘われた。
夕飯の食事の準備は途中までだったが、どうしようかな?と思っていたら、次男から「夕飯要らない」とだけメッセージが来ていた。夫に電話をすると「今日から出張」と...。あれっ翌日からじゃなかったんだ。長男は仕事。「今から行くわ」とメッセージを送り、友人と合流。
楽しいひと時を過ごし気づいたら22時を過ぎていた。思ったほど寒くはなかったが、地元に戻ると、草むらは霜が降りていた。やっぱり寒いんだ...。
空気はひんやりしていたが、澄んでいて月が綺麗であった。まさに「天と地を清楚」にした感じであった。
冬が洗い出すのは万物の木地。
もうすぐ二十四節期の「大寒」を迎える。
「大寒」の朝の水は腐らないなどといわれるくらい、寒く、冷たく雑菌が繁殖しにくいことから、昔からこの時期に仕込まれた味噌は「寒仕込み」と言われる。
耐え忍ぶ厳寒。
秋冬が来ると、人生を考えてしまうのは、自分もそれなりに年を重ねて来たからだろう。
冬木立には、その冬をじっと耐え忍んでいる姿がある。しかし、それを乗り越えれば「春」なのだ。生命の営みが繰り返される。
陽も徐々にのびてきた。春はもうすぐ。
今日の一句
霜が降り 吐く息白い 帰り道
