タータ日記 〜 その114  魔の4歳 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
「魔の2歳」「魔の3歳」「魔の4歳」...と言われるが、やはり私の子育てにとってきつかったのは「魔の思春期」。
 
上から5歳、3歳と年の差がある子供達。長女はやはり女の子だけあって早くから始まり、次男がおさまるまでの10数年しんどかった。しかも、直接ぶつからない夫にも腹がたったものだった。正面から子育てしてみろ!と...。
 
子育ては、直接心と心がぶつかり、赦しあえるからこそ、そして家族だからこそ与え合うことができる人間の温もりを感じられるのだと思う。赦すのは甘い、と夫は言ったが、家族が赦さなければ誰が赦すのか?誰が認めるのか?こういった経験を通してのみ、人間は成長出来るのだと実感している。
 
ぶつかったことがない、またはそれを避けて通る事も可能かもしれないが、痛み、その経験が糧となり人に優しくなれるのだと思う。
 
だから「魔」の幼児期なんぞ可愛いもので、それも「思春期」と合わせて成長の現れなのだが、すっかり忘れていたのに、再びシッター先で体験中。
 
双子の4歳と弟の2歳。まあ「このク○ガキ!」と心の中で叫ぶ日々。苦笑
 
毎日保育園、幼稚園のお迎えから始まり、曜日によってはそのまま帰宅。習い事のプールに連れて行ったり、リトミックのお迎え。リトミックは仕事でミラノに出てきているノンニ(祖父母)のおつとめだが、毎週は無理ということで、その時は私が一緒にクラス参加。(その日の時給はエキストラにして欲しい!)。
 
毎回ハイテンションで、脳がかち割れそうな、高い声で叫ばれる。「ピアーノ!」聞こえるから静かに話そう!と促すが、その時点で私もハイテンション‼︎爆
 
幼稚園では自律を促しても、結局家では親が全てやってあげてしまっていては、育たない。イタリア人の親は、日本人の親よりも、手も口も出しすぎる傾向があると思っていたが、水泳教室では、4歳児の女児は意外に皆一人でシャワーで体を洗い、髪までシャンプーしておりしっかりしているが、我がツインズはシャワーの真下にお尻が届くか届かない距離で、お尻を向けて「く」の字の姿勢で待っているだけ。笑 もっとシャワーの下に入って!まだ泡が落ちてないでしょう?私の方がシャワーの飛沫を浴び冬でもビッチョビチョ。
 
5時台の更衣室は足の踏み場もないくらい、着替えの子プラス親が溢れかえり、長椅子は全て占領されている。何をやっても最後のツインズは端っこに行って、そのまま着替えるしかないのだが、次男は非常に要領がよく、褒めれば更に素早くなんでも出来ちゃうが、長男が超マイペース。座る場所がない!と大騒ぎし、仕方ないでしょう?と言えば更に大声で泣き喚く。
 
初めの頃は、すぐに退くからね...と言ってくれる方もいらしたが、またか...と冷たい目で見られる。
 
あー、自分の子育ての方が楽だったかも?!
 
大体赤の他人で、人生の責任も伴わず気楽で行こう!と思っていたが、躾という躾を教えていなかったら、誰が教えるの?流石に見て見ぬ振りは出来ぬ。ちなみにママさん方の祖父母は非常に厳しい人たちなので、賢い彼らはノンニの前ではブラーヴィなのだ。爆
 
子供たちをお迎えに行くと、彼らをよく知る先生やクラスメイトのママさんたちには、povera tata・ポヴェーラタータ、 可哀想なタータとよく言われる。笑 「この苦労、わかる?」と言いたくなる。爆 
 
そして、帰りがけ毎日、毎回3人のうち誰かが走って逃げる。私は誰かしらと手を繋ぎ、彼らの荷物も多いから、追いかけられず叫ぶのみ。だがなかなか止まらず。
 
通りにいる人が一緒になって追いかけてくれたり、止まって眺められる。今日は外国人のおばあちゃんの一括で止まり、かなり怒られた。「タータのいうことを聞きなさい。ここは危険がいっぱい!」「僕はもう4歳だよ。Gが止まらないから追いかけて止めようとしたんだ!」と言い返す次男。
 
ポヴェラ・タータ。どんだけ多くの人に助けられ、どんだけを怒られているか....
 
こちらは、帰宅してテレビを見ている様子。ソファに一緒に座ると必ず誰かが膝に乗って来たり、膝枕。そして一人は背もたれに座り「トントンして欲しい?」と聞いてくる。肩叩きを仕込んだのだ。爆 「あー気持ちいい。あー最高!」と言うと「もっとやって欲しい?」と聞いてくるからもう一回...と繰り返すと最後は「バスター!」と嫌がられる。画像は教えていないが、頭のマッサージもやってくれており、決して髪を引っ張れているわけではないのだが、髪がめちゃくちゃになる。

 

 

いやー、魔の4歳。体力と気力がなきゃ向き合えないわ。ポヴェラ・タータ。あと何年現役でいられるだろうか。
 
今日の一句
純粋無垢 時に悪魔の 子どもたち