11月11日は「サン・マルティーノの夏」と呼ばれ、初冬のいきなりの寒さの後、気温がわずかに上昇し、過ごしやすい、まさに小春日和の日。
久々洗濯物をバルコニーに干したくらいだ。
なぜサン・マルティーノかと言えば、11月11日の聖人「サン・マルティーノ」(聖マルティヌス)にちなんでそう呼ばれる。
サン・マルテイーノは、4世紀、現在のハンガリーに生まれ、ローマ騎兵となったが、受洗し、修道士となりフランスはトウールの司教となった。
ある大雪の日に、半裸の物乞いに出会い、着ていたマントを二つに切り裂いて与え、その夜、切れたマントを纏ったイエスが夢に現れ、「あなたがマントを与えた男こそ、この私である」と言われたという。
さらに、このサン・マルティーノは騎士や兵士、毛織物関連業者、靴屋、物乞い、家畜、そしてホテル経営者の守護聖人でもあるという。また、ロワール川流域での葡萄栽培の先駆者としても知られ、イタリアではワインの守護聖人ともなっている。

またサン・マルティーノの日には、"A San Martino castagne e vino" 栗とワインとも言われている。
サン・マルティーノと言うとカルドウッチの詩が有名だが、以前書いたので今回は、ジャンカルロ・コンテイの「サン・マルティーノの夏」をご紹介。
Estate di San Martino di Gian Carlo Conti
Una nebbia sospesa appena si distende
sui neri solchi e le siepi già irte,
ma il sole è ancora tiepido
in questa lunga estate di San Martino
in cui cammino a passi lenti per la via,
che non conduce più a verdi paradisi,
ma ad una casa vicina,
al naturale confine della vita.
宙に浮いた霧が
黒い溝と生い茂った垣根の上に、ただ霧が立ちこめている。
でも太陽はまだ暖かい
サン・マルティーノの長い夏
私はゆっくりとした足取りでこの道を歩いている。
緑の楽園に続く道ではなく
近くの家へと、
人生の自然な境界線へと。
今日の一句
ノヴェッロ(新酒のワイン)と
焼き栗楽しむ
サン・マルティーノ

