在ミラノの皆さんへ 〜 写真展のお知らせ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

ミラネーゼの写真家・アンドレア・マルティーラドンナ氏の写真展。

 

アンドレアは建築関係を中心にしたカメラマン。ミラノ工科大学•建築科卒業、’86年〜'90年映画関係およびRAIの仕事に携わる。その後、建築やデザイン関係のカメラマンとして建築関係の雑誌(Abitare, Domus, The Plan, Interni, Wallpaper)や建築事務所(Park Associati, Piuarch, Gregotti, Matteo Thun, Marco Piva, Duccio Grassi, Zaha Hadid)や企業 (Cassina, B&B, Marzorati Ronchetti, Flos, Nava Design, Armani Casa, Dolce e Gabbana, Lea Ceramiche, Samsung, Electrolux, Dada, Elam)のカメラマンとして現在に至る。

 

実は、彼及び彼の家族5人は元空手仲間。彼自身は腰の関節を痛め空手から離れてしまったが、夫妻とは年に数回食事をする友人。

 

展示会は9月末から始まったが、オープニングは空手の稽古日に当たり、終わって駆けつけるには遅く、しかも道場からはアクセスが悪く、翌朝も稽古だったので、日を改めた。

 

先週道場側の問題で急遽稽古がキャンセル。じゃあ行って見るか?と思い駆けつけたら会場自体がデザインオフィスなのでワーキングタイムの18時までであった。(知らなかったー!)

 

3度目の正直で出かけて来た。当初アンドレアは不在との事だったが、用事を済ませ来てくれていた。

 

 

デザインオフィスは、以前は車の修理工場、その後改装され、バレエ教室、そして現在のデザインオフィスとなったと言う。

 

 

 

和紙に特別な機械で彼の写真が印刷所されているのだそうだ。

 

数年前、やはり和紙に彼の取った昆虫の写真を印刷した写真展が行われたが、当時の和紙とは違い、質も更に上質で厚みがあるのだそうだ。ちなみに彼は、和紙のことを『Kozo』と呼んでいたが、楮とは、クワ科の落葉低木で、それを蒸して、皮をはぎ、アクを抜き、叩いて繊維をほぐす。その後、水の中で、漉いていき、一枚一枚、天日にほすのだそうだ。空気が入らないように干すと言うが、その工程は想像しただけでも、時間がかかり、職人技なのだろう。

 

アンドレアは、日本へ行って、その職人技を実際目にしたいと言っていた。

 

 

それにしても、色の構成、照明とのバランスが絶妙。

 

 

水族館で撮ったと言うタコ。美味しそう!いや違うか?爆

 

 

黒鯛?の画像。水の中に見えない分、浮遊しているように見える。

 

 

鶴。 バックが丁度障子に見え、木下順二の戯曲「夕鶴」と重なる。

 

 

多肉植物。友人が画像の向こうに仏が見えるようだと言っていた。素晴らしい洞察力。

 

 

 

水族館の烏賊も仙人のような不老不死、神通力さえ感じる。

 

 

 

 

 

 

静寂の美。そしてそれぞれの写真の中に穏やかさ、そして叡智を感じる。

 

@ Fragile

Via Simone D’Orsenigo 27

10月27日(日)まで
10月26日(土)15-18時アンドレア在館
 
 
今日の一句
奥深い 神々しさが 心に響く