聖週間 2024 〜 聖土曜日 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

キリスト教の最大の祭りは、クリスマスではなく、復活祭。

 

復活徹夜祭は、一年の典礼のうち、最も盛大で、中心的な祭儀である。この夜、教会は本来、十字架上で死に、葬られたキリストが復活するのを、徹夜で祝うものだが、夜の11時から始まっていたミサも2019年からは9時からと早まった。(ちなみに日本では夜の7時くらいから始まるらしい。)年寄りが多いせいからか理由はよくわからないが、夜遅いミサだと参加者が少なくなるのは事実。

 

... というわけで、聖歌隊の練習もあり8時半にパロッキア(小教区教会)へ出かけた。

 

ところで、今日この復活徹夜祭において、ヴァチカンでは8名の受洗者がおり、そのうち日本人男性が一人いた。ミラノのドウモでも9名が洗礼を受けていたが、実際はミラノ大司教区では83名の受洗者がおり、そのうち1名は我がパロッキアにも誕生した。たぶん東欧系の女性のようであった。

 

ミサは、ローマ典礼とアンブロジアーノ典礼ではかなり違うが、同じローマ典礼でも日本語とイタリア語で行われるミサとでは、聖歌も違うせいかかなり雰囲気が変わる。今日の徹夜復活祭の様子をYOUTUBEで見比べてみたが、個人的にはやはりアンブロジアーノ典礼が一番好き。朗読も歌うが、そのリズム、抑揚が非常に綺麗。

 

それにしても、今日は朝からどんよりした天気であったが、午後から強い風が吹き始め、教会へ行く途中、小雨が降っていたが、私の傘は風で裏返ってしまい、あら、もう駄目だわ、たたんで歩道にあったゴミ箱に捨てようとしたが、閉じた途端、骨がもとに戻った。笑 

 

そして、ミサが始まると、祭壇脇のステンドグラスがピカピカ光り始め、ゴロゴロ天井に轟音らしき音がしたと思うと、今度は、どこからともなくザーッという冷気が漂うような鋭い音がしてきた。

 

それは悪と神が闘っているかのごとく感じられたが、しまいに外は静かになった。

 

ミサは進み、アンブロジアーノ典礼では、キリストの復活を宣言する場面では、各自持参した鐘や鈴を鳴り響かせる。昨年は忘れてしまい、ミサ前の聖歌隊の練習の時に気づいたが、取りに行っている余裕がなかったため、代わりに鍵束を鳴らした。中には羊飼いの鐘もあり、様々な音がして皆でキリストの復活を喜んでいるようである。ミサ中、その場所が近づいてくると、皆バッグから鐘や鈴を出し始めるせいで、必ずチャリン、カランコロンと、音が鳴り始めるから笑ってしまう。

 

Cristo è risorto! (キリストが復活した!)

Rendiamo grazie a Dio、alleluia! (神に感謝、ハレルヤ!) チャリン、カランコロン…

 

そして半音ずつ上げていくこと3回。

 

復活は、キリストとの出会いのための一歩である、と司祭がお説教の中で話していた。

 

 

あの方は復活なさって、ここにはおられない。(マルコ16:6)

空の墓は、希望の光。

 

閉祭は『レジナ・チェリ』であった。

 

 

パパ様は、2015年4月6日、復活祭翌日のレジーナ・チェリの祈りにおいて、この祈りを唱える際の心掛けについて語っておられる。

 

「わたしたちはマリアに向かって、お喜びくださいと言います。なぜなら聖母に宿られた方は、おことばどおりに復活されたからです。そして、わたしたちは、聖母の取り次ぎを願うのです。実際、わたしたちの喜びは、聖母の喜びを反映するものです。マリアは御子イエスの死と復活の出来事の静かな証し人です。母の喜びを自分のものとする、子らの喜びをもって、この祈りを唱えましょう。」


ミサ後、スプマンテと鳩の形をしたケーキで、互いに復活の喜びを祝った。

 

主のご復活おめでとうございます!

 

今日の一句

空の墓 復活の希望 主の平和