世界剣道選手権大会 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

 

 

 

 

この夏、ミラノにおいて第19回世界剣道選手権大会が開催される。

 
イタリアで剣道への取り組みは始まったのは1960年代後半。組織的に活動が本格的に始まったのは72年。
 
しかし、80年代後半になってもイタリアでの剣道人口はせいぜい2ー300人くらいだったと言う。
 
ちなみに2022年の資料によれば、世界の剣道競技人口は約250万人、日本が約170万人、韓国が約50万、フランスが約1万人。ドイツとイタリアに3000人と言う。
 
実際、イタリアの柔道や空手競技人口よりは少ないものの、個人的には結構いるものなんだ!と驚いたものだ。
 
武道、刀、防具などによる憧れか?
 
ところで、毎年年末にはミラノの見本市で日本のブースで仕事をしているが、数年前に剣道をやっている同じ教会の教会員が剣道をやっており、稽古用に、そしてプレゼント用にと言って浮世絵柄の手拭いを結構購入してくれたことがある。
 
剣道では、手拭いは、競技をする上で非常に重要な役割を果たしているそうだ。面をつける前にまず頭に手ぬぐいを巻くが、その役割は汗による面の劣化を防いだり、打突の衝撃から頭を守るといった役割がある。 また剣道の面は着脱を即座にできるものではないため、あらかじめ顔面に汗が流れるのを防ぐ役割があるのだという。
 
空手でも組手をする際、面を被るが、日本人であれば手拭いを巻いたりするが、イタリア人だとそのままだったり、してもバンダナあたりだ。
 
そして以前、ミラノの情報誌にミラノの剣道の先生のインタビューが載っていて興味深く読んだ。
 
やはり、日本文化を知りたい、探求したいといって入門する人が多いようだが、日本人であれば、指導者のやることを見て、さっと真似できる事でも、イタリア人にはそうはいかない。足運びに始まり、一挙手一投足に「なぜなのか」を説明しなければならない。

そして、例えば、武道では重心は腹、つまりおへそ近辺の丹田であるが、西洋人の感覚では体の重心はもう少し高いところに来てしまう。重心の位置までも意識させる必要がある…とあった。
 
確かに「見取り稽古」というものがあり、空手でも上手い人の動きを見て、盗み取る。つまり見よう見まねで自分のものにしていく。
 
しかし、見ているようで見ておらず、親切丁寧に教えようものなら、受け身になりがちな人も多い。
 
まずは己に打ち克つ「克己心」、そして自分のなまけ心や欲望に打ち勝ち、忍耐力をもつ精神を養う「克己忍耐」が必要であろう。
 
稽古の時は、全ての邪念を離れて、無我の境地を目指す「無念夢想」、物事の変化に対し、動揺することなく、冷静に対応できる磨かれた心の状態である「平常心」も必要。
 
そして、互いに励まし合い、競争し合って共に向上しようとする「切磋琢磨」な姿勢。
 
「一眼二足三胆四力」。剣道において、大事な要素を順番にしたもので、第一に相手を見る目、第二には足捌き、第三に胆力、つまり何事にも動じない強い気持ちや決断力、第四には力、つまり技を発揮することが出来る身体能力が重要だという教えがあるが、それは他の武道然り。

 

武道は、技を磨く稽古のみならず、精神的な部分を学ぶことも重要。武道の道は厳しいのだ。
 
他のことに心を動かされずに、ひたすら一つのことに心を集中させる「一意専心」の輩がミラノに大集合する。えらいこっちゃ!
 

第19回世界剣道選手権大会

 

 

今日の一句

心の眼 体の鍛錬 日々精進