真夜中の 〜 その9 惣菜作り おから | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

おから(卯の花)とは豆腐を作る際の副産物で、大豆を搾ったあとのカスのことである。大豆を搾ってできた豆乳はそのまま豆腐になどに使われるが、卯の花は産業廃棄物として処分されるか、家畜のエサや畑の肥料になることが多い。

 

また、スーパーでは調理したものを販売していることが多く、ほかには乾燥させておからパウダーとして販売しているメーカーもある。

 

ところで私にとって母の味といえば「おから」。母も大のおから好きでパンに挟んで食べるのが子供の頃から好きだったとよく聞かされて来た。

 

帰国中は良くおからを作ってもらう。イタリアに戻ってくる時は、おからパウダーを持ち帰っていたが、考えてみたら、イタリアでも中華食材店で豆腐が売られているのだから、おからがないわけがない。ちなみに一般のスーパーでも豆腐は売られているが、もちろん絹豆腐ではなくガチガチボソボソの木綿豆腐と言おうか?あれを食している在伊邦人はいるのだろうか?

 

話は基、おからという名前は、「搾りかす」という意味がある。お茶を出したあとのお茶っ葉を「茶がら(茶殻)」と呼ぶように、お「から(殻)」に「お(御)」をつけて、おから(御殻)と呼んでいるんじゃないかな?

 

余談だが、豆腐の歴史は古く、紀元前200年頃の中国にはすでに豆腐が存在していたという。日本で豆腐が食べられるようになったのは奈良時代で、中国(唐)に派遣された遣唐使が日本に伝えたのだそうだ。

 

しかし、豆腐自体はぜいたく品であり、一般的に食べられるようになったのは江戸時代の中頃のよう。

 

再び話は基、コロナ前に中華街の行きつけのお豆腐屋さんに頼んでおからを分けてもらっていたことがあった。タッパーを持って行くと、その朝出た豆腐のかす、2キロ分くらいを分けてくれていたので、友人と数人でわけたものだ。

 

それが数回通ってから衛生問題もあるだろうし、なんやかんや言ってもらえなくなった。流石に私も朝8時に通い込むのは辛くなったので諦めたが最近また機会があり、人伝てに分けていただいた。これまた2キロ。友人数人にわけた。

 

...と言うわけで、昨晩おからを作った。

 

にんじん、椎茸、蓮根、長ネギ、糸蒟蒻。あー揚げや枝豆も欲しかったな、と後から思った。

 

出汁、日本酒、醤油、砂糖、みりんと塩少々。最後に隠し味として母はバターを少し入れていた。

 

気になる栄養や効能は想像以上!カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維などの栄養素をはじめ、イソフラボンやサポニンなど、注目すべき成分も含まれているんだな。とりわけ、食物繊維の含有量は豆腐や豆乳より優れており、便秘対策をしたい方やダイエット中の方におすすめ。

 

残ったら、パンに挟んで食べてみよう。

 

そして次は、おからコロッケだ。

 

今日の一句

懐かしい 味を受け継ぐ 母の味