華厳の陣 2023 〜 No Karate、No Life | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

空手の2023/24年度が始まり、早1ヶ月半。

今年は体験、新規入会した人がものすごく多かった。しかも子供より大人のイタリア人だ。

気づくと指導する黒帯はまだイタリア人より日本人が多く、しかも4-50代の女性ばかり。非常に珍しい道場かもしれない。しかも、ここはイタリア。厳しいながらに親切丁寧だ。

ところで来月は、昨年本帰国された師範(実際は教士)が来伊され、特別稽古に秋の大会・華厳の陣が行われる。前回5月の来伊の際、私は昇段審査があったが、骨折のため延期。特別稽古、大会参加は全てキャンセルだった。

あれから5ヶ月。足はほぼ完治。飛び込み打ちする際、足の衝撃が怖かったが、それも問題ない。体力もほぼ戻っているが、型のキレは完璧になくなった。仕方ない。年だもの。

とは言え、秋の大会のみペア型は友達とも組むことが出来る。過去に色帯のおじさんたちと組んで一時的にも彼らが上手くなった事に、教える醍醐味を感じた。ただ大会と同時に元に戻ってしまうから、彼らのモチベーションを高めつつ、いかにレベルを上げることは出来なくても維持させるか?あれこれ考える。

今回は黒帯の人たちに、伸び悩んでいる、特におじさんたちを引っ張り上げましょう!と声をかけたが、肝心なペア型をやりたいと言う手が上がらない...とほほ。半ば諦めていたら、昨年一緒に組んだCがパートナー募集?!と言うので、じゃあ私がやりましょう、となった。なかなか体の硬い50代後半の紫帯。

昨年は彼の型間違いで、2位になってしまった。けれどトロフィーを彼に譲ったら非常に喜んでいた。今年も頑張るよ!厳しくするからね!と声をかけた。爆

常に思うことだが、人生、夢や目標をもって生きるのは、非常に大切だと思う。けれど、結果を出すことも大事だが、その過程をどう過ごすかが大事なのだと思う。

 

また目標に向かっている時の人との「出会い」も大切。人生の宝。

 

そして自分の大事な軸の再確認にもなる。ぶれずに生きる。

 

人生の中で何をするかも大事だが、どういう心でやるか、そちらの方が重要なのだと思う。全てはポジティブシンキング。


昇段審査、大会まであと1ヶ月。まずは体にだけは気をつけないといけない。


武道は「道」である。どんなに忙しくても、自分で鍛錬しながら前へ、前へと精進していく「道」。3歩進んで2歩下がろうと黙々と基本をする。


気合いー!声出すよ〜!無駄なおしゃべりはしない〜!走る〜!時間を無駄にしない〜!


いつもうるさいおばちゃんだと思われていることだろう。その割に、帯緩んじゃった、結んで〜、疲れた〜、ヘロヘロの子供達がわざわざ言いにくる。おいおい、しっかりしてよ、こんなおばちゃんだって頑張ってるんだからねー。


空手を始め、精神性を追求してゆくと武士道にぶつかる。なので、妻として、母として、働く女性として、己に克つための武士道に共通することは、常に平静として、どんなに辛いときでも笑顔を絶やさないでいること。それでいて凛として冬に咲く梅の花のようであれということ。


人間の「芯」なるものは、いかなる艱難辛苦にも平常心で臨むという勇敢果敢な武士道の精神に通ずると思う。それは、女性とて同じ。


来月の大会が楽しみだ。