タータ日記 ~ その85 天使と悪魔 ♯2 子は親の鏡 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

Angelo e Diavolo

 

仕事が始まり、1週間以上が過ぎたが、3人の幼児を抱え、壮絶な日々を過ごしている。

 

彼らの家は、地下鉄の某駅を出て、4~5分、大通りを歩いて行き、ある通りを曲がるとすぐなのだが、曲がると同時に必ず彼らの家を見上げる。

 

過去に2回ほど雨戸が閉まったままで、私がベルを鳴らしたら慌てて起きてきた、ということがあったが、最近は三男が毎朝ぴったり6時半に起きるようなので、それにつられて全員起き、私が到着する9時には皆食事も終わって、とりあえず着替えが終わっている状態ではあるのだが…。

 

とにかく、彼らの家を見上げると、雨戸も窓も空いているが、子供達、特に次男の大騒ぎしている様子が聞こえており、その後にパパさんが「Nooooo!!」と叫んでいることが多い.その度に、あゝ…ため息が出る。

 

彼らは既に3歳であと2週間で幼稚園に入るが、日中はパンツで過ごし、お昼寝と夜寝る時にオムツにするのだが、最近わざとなのか?次男が大の方をパンツでするようになった。しかもおもちゃの上に乗って遊んでいる時にされるので、その後処理が大変。

 

とにかくルールと言うものが、存在せず、基本中基本のことを言っても守れない。ご飯、おやつ中はうろうろしない。

おもちゃや本を出したらしまってから、次のことをする。最低限の事なのに、何も守れない。幼稚園でしつけれるだろう、とパパさんが言う。ちなみのパパさんの母親は現役の幼稚園の先生だ。

 

大体親もゴミの仕分けも適当だし、いい加減だから、どんなに私が厳しく言っても、親がそれを許しているのだから、身につくはずもない!

 

道場でも子供に武道でもさせれば、規律正しくなると思っているイタリア人の親御が多いようだが、とんでもない!基本は家庭なのだよ!

 

子供にはもちろん、敢えて親にも聞こえるように、食べながらウロウロしない!誰は掃除するの?と言ってやる。

 

少なくとも長男は普段穏やかで注意すれば、さっと直すのだが、この夏休みただただクレモナの家で、普通に過ごし、庭が大きいので、走り回ったり、家庭用のプールは置いたようだが、会うのは親類のみ。甘やかされ、エネルギーが有り余っているのだろう。

 

親が、それぞれ部屋に入って仕事をしていても、何かあれば子供たちは親の元へ行き、怒られれば、更にヒートアップして怒られることをする。できれば、少なくともママさんだけには、オフィスに行って欲しい気もするのだが…。

 

ちょっと目を離せば、本箱から本を投げ出し…

 

 

しまいなさい、といえば本箱の近くに投げるだけ…。

 

 
本や物を大切に扱わなくてはならない、と言っても伝わらない。三男を力づくて倒したり、もう半端じゃないのだ。へらへら笑いながらする時もあれば、いきなり目つきがかわる。それは悪魔でも乗り移ったのか?というくらい、とりつかれた顔ような顔になるのだ。
 
子も親も反省の色がないのなら、幼稚園へ行き、とことん注意され,親子共々恥ずかしい思いをした方がいいのではないか?と思わず意地悪な事を思ってしまう。
 
子育ては我が家も苦労したけれど、全く別の次元で、乳幼児期、たとえ夫が不在がちでもこれほど心身共に消耗することはなかった!!年齢の問題とは思えず。
 
反抗期はある意味、成長のしるしだが、今この時期はただただ闘いにも感じてしまう。「(ハイジに登場するクララの家庭教師)ロッテンマイアーに徹したら?」と友人に冗談半分言われたが、正論だけを彼らにぶつけも今は伝わらないことだろう。
 
自他の区別が芽生え、自分の意志がはっきりしてくるこの時期、集団の中で人間関係のルールやしつけを学ぶのに最適な時期。本来、親、家庭が基本では?と思うが、「子は親の鏡」、厳しいかあ?!苦笑
 
ただただ、シッターの私は、忍耐、忍耐、また忍耐の日々。自分の子育てより過酷な気がする…とほほ。
 
 

『子は親の鏡』

けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる

子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる

叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる

© ドロシー・ロー・ノルト レイチャル・ハリス 石井 千春