祖父母と高齢者について考える | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

7月23日曜日、「第3回祖父母と高齢者のための世界祈願日」であった。
 
高齢者は「若者が大人になるために必要な根」であるため、異なる世代間で実りある建設的な交流が必要であり、何よりも高齢者が疎外され、孤立してはならない。と、パパ様はおっしゃった。
 
ところで、日本の総人口は、2020年10月1日の時点で、1億2,571万人。 65歳以上人口は、3,619万人。 総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は28.8%。 「65歳~74歳人口」は1,747万人、総人口に占める割合は13.9%。一方イタリアで、総人口5,800万85.1万台、(前年比17.9万台減少、3パーセント削減) 65 歳以上の人口は 1,417 万 7,000 人で、総人口の 24.1% に相当 (2022 年と比較して 0.3% 増加)。
 
ちなみに、日本の面積は、イタリアの約 1.25 倍(逆にイタリアの面積は、日本の約 0.8 倍。日本の約 5分の4)だが、総人口も65歳以上の人口も日本はイタリアの倍以上になるが、各国の65歳以上の人口は、総人口との関係性を見ると、イタリアとは、4.7%しか変わらない。
 
日本とイタリアに限りみていると、イタリアでは両親、舅姑と同居になるということは、ほぼないし、嫁が舅姑の面倒を看る、ということもほぼない。介護に関する考え方もかなり違う。とはいえ、なるべく親類が祖父母、高齢者をしばしば訪問し、関係が密なのは、日本よりもイタリアの方がずっと高いように思われる。それがたとえ離婚率が高くなっていこうが、親は親、祖父母は祖父母と大切にしているということが良くわかる。
 
ところで、母の周りには未亡人友達が多いようで、皆似たような環境であるから、励まし合えるようだ。しかし、必ず話題になるのは、うちの嫁は…だそうだ。しかし褒めあう話ではない。意外にどこも舅がいなくなった途端に、嫁の態度が急変。顔も出さなくなった、というところも多いようで驚き。母もよくそれを口にしていたが、仕方ない。あなたの息子が選んだ人なのだから…。苦笑 とはいえ、その孫が祖父母に疎遠になるのは別の話。親の育て方に大いに影響する。
 
人口が多い国であろうと、孤独な高齢者が多いのは寂しい国だ。パパ様は、未来は若者と高齢者の経験の分かち合いと、相互のいたわりの中で共に築くもの、とおっしゃった。
 
年を取れば丸くなる、ものだと思っていたが、必ずしもそうではない。しかし、自分だってどうなるかわからない。苦笑 そうは言っても、高齢者から学べるものは多い。
 
高齢者たちの存在を忘れることがない優しい人間が一人でも増えますように。