今朝、骨折一週間後の検診があった。
骨折治療の基本は、折れた骨を元の位置に戻し、固定すること。
「はじめの一週間が肝心で、万が一折れた部位がずれていたら、大変だよ。正常な位置に直すのに、麻酔をすることもあるようだけど、痛みで叫びまくるよ~。」と友人に脅かされており、今朝は早くから目が覚めてしまいドキドキしていた。
そして、整形外科の検診の予約は8時40分なのに、レントゲン予約は13時35分。8時に直接レントゲン室に行けばいいから、と前回予約の際言われたが、不安になり、待合室に入る際、レントゲン技師に、こういわれてきたが…と一応説明をすると、「ノープロブレム。ちゃんと8時に診てあげるから。」と言われたが、予約表を取りに来た看護師は「10時半の予約なのに、この時間に来たわけ?」と嫌味。また、不安に陥りそうになったが、「8時40分に整形外科の予約があるのでよろしくお願いします!」と強気に言った。とにかくイタリアでは黙っていたら、配慮されないことが多い。なんでも確認、確認!とりあえず口に出して確認!笑
しかし、8時半になっても呼ばれない。待合室はいっぱいだ。あー整形外科は遅刻だな。でも私のせいじゃないし…(確かに私のせいではないが、それこそイタリア人の口癖だ)
そして、ぎりぎり呼ばれた。足の画像を3枚撮り、画像はコンピューターで整形に転送されるが、オリジナルは来週取りに来てください、と言われた。検査やレントゲン結果は後日取りに行き、場合によってはカルテも本人が所持し、検査の度に持ち歩くが、プライベートの検査専門の病院だと、そういったものはすべてデジタル管理。個人のページに行けばすべて保管されているが、国公立の病院だとまだそこまで追いついていない。
一週間後に取りに来て…と言われても、歩けないし困ってしまう。そこは委任状があれば指定時間内に行けばよいので、夫か次男に任せよう。これが、全くの一人であったら本当に大変なことだ。
そして、レントゲン撮影後、今度は階下の整形外科に移動しなければいけないが、巨大病院故に地図なしでは動けない。レントゲン技師に訊ねると、廊下を指差し、「一本目の通路を右に曲がり、エレベーターで0階に下りたら左側。」といわれた。ちなみに廊下の突き当りにはエレベーターホールが見えたが、そこではないのか?と夫が言ったが、一本目の通路を右に、と言われたから、突き当りだと行きすぎだと思う。
一本目を右に曲がったが、どこまで行ってもエレベーターはない。長い通路を松葉づえで牛歩のように移動し、また角を右に曲がる。すると奥にエレベーターがあった。そして地上階におりると確かに左側に整形外科と書かれていたが、そこから永遠と歩く。
右に曲がって、エレベーターでおりて左側であったが、説明を端折りすぎてはいなかったか?これが健常者であれば、なんでもないことだが、歩けないということはどんなに大変な事か…それでも、すれ違う医療関係者に毎回、確認して歩いた。
夫はいたが、サッサと先に歩いて行ってしまう。松葉杖の牛歩では追いつけない。ジャケットを脱いでおり、はじめは薄寒かったが、次第に暑くなり、けれどマスクをしていたので、息苦しく何度も立ち止まった。やはり体に支障があるということはこんなに大変なのだ!と痛感。
整形の待合室の8時50分到着。10分の遅刻ならなんとかなるだろう。そこには、私より先にレントゲンを撮った人ばかりであった。老若男女。国籍も様々であった。さすが人種に坩堝ミラノ!なんと診察は9時から始まり、私が一番であった。どういうこと?狐につままれたようであった。笑
診察室に入り、ドクターと簡単なやり取り。骨の状況は前回と同じだが、ずれてないので、ギブスはあと3週間続行。次回6月7日にまず、ギブスを取ってからレントゲンを撮り、受診。順番を間違えないで!と言われた。
「あのー、その後、リハビリは必要でしょうか?」と聞くと、ドクターもその横に座っている(‼)看護師も眉間にしわを寄せ「ノー―――」。手首を上下させるジェスチャーで、足を動かせばいいから、という。ほんまかいな?
「あと3週間、早く治す秘訣は?」というと、再び眉間にしわを寄せ、「何もしないこと!」という。はあ。ただただじっとしていろ、と。
「その後空手に復帰してもいいですか?」と念のためきくと、即看護師が"Troppo presto!" 早すぎる!と一言。はあ。聞いてみただけです。苦笑
その後、また前回同様、次回の予約を取りに行った。まだ1時間以上待たされるのか?と思ったが、10分ほどで完了。家を出て2時間弱で帰宅できた。奇跡だ!
イタリアの病院は本当に心身共に疲れる。松葉杖の牛歩で筋肉痛。しばらく言われた通り、静かにしておこう。爆