ひきこもり生活 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

家に引きこもる生活が始まった。

 

とはいえ、怪我をした翌朝は、1週間後の診察及びレントゲン撮影の予約をするため病院へ。電話じゃだめなんですか?と聞いたが、残念ながらだめだという。しかし、11年前やはり同じ左足の親指を骨折した際は、整形専門の救急病院へ行ったが、そこでは診察は1か月後で予約は電話で良かった。

 

すごく混むから7時半くらいに入っていた方がいい、と救急で言われ、夫に正門の中まで車で送ってもらったが、それ以上は歩いていくしかないと言われた。松葉杖だと牛歩のようにしか進めず。思うように進まずイライラ。7時半に到着すると既にすごい人。機械で番号札をとるが、血液検査、予約、チェックイン、その他のカテゴリーに分かれていたが、チェックインだけが7時45分から。だから、予約は取れるはずなのに、夫は取れないと言われたという。自分の足で機械のところまで行って確認したいが、動けない。

 

前日救急で見かけたギプスの男性が後から来て、番号を持って行った。ちっ。

 

イライラするな!人に頼んだのだから目をつぶれ~!自分に言い聞かす。結局予約番号10番。1時間10分ほど待たされただろうか。その後、来週のレントゲンと診察の予約を入れた。「またここに来てから支払いとチェックインが必要なんですか?」とイライラ気味に聞くと、「今日すべてやって当日は直接レントゲン室の前で待てばいいようにします」と言われた。「それにしてもマチェッロ(めちゃくちゃな状態)ですね。」と嫌味?をいうと、「毎日こうよ。もううんざり!」。病院側が言ってどうする!

 

また来週も松葉杖で牛歩なのか?と思うとこれまた憂鬱になった。

 

ところで、今回もまた血栓予防のため、抗凝固剤であるヘパリンを35日間分処方された。一箱注射10本入り。一日一本皮下注射。一箱41.93ユーロ。保険に加入しているとなんと2ユーロになる。それにしても自分でお腹に注射しなくてはならず、泣ける。

 

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そして、ホームドクターに社会保険庁に提出する病欠扱いの証明書発行を依頼すると、それは救急病院が出すものだと言われた。しかし、救急で出してもらった書類にはそんなことは書かれていない。
 
ホームドクターから病院の担当部署を教えてもらい、そこへ電話をすると、今度は救急の責任者と話すよう言われた。しかし、そこで話したところで直接担当したドクターに確認することになるだろうから堂々巡りになるのは想像出来た…。
 
そうだ!前日会った看護士は友人のご主人(実は元旦那)であったんだ!と思い出し、友人にメッセージを送り、彼の電話番号を教えてもらえないか?と聞いたが、結局全資料を転送し、聞いてもらうと、なんと証明書は私が要らないと言ったというではないか?!えっそうなの?頭がパニックだったから、全く理解できず、適当にノーと言ってしまったのだろううか?それでもホームドクターに言えば出してもらえる、と言われたが、既にホームドクターは診察時間外であったので(受診時間2-3時間以内にしか連絡を取れず、しかも毎日その時間帯が異なる。もちろん緊急時は例外だが)、問い合わせできず。
 
翌日、事の経緯を説明し、私は痛みと疲労と、緊張、落胆で証明書は不要と言ってしまったらしいが全く記憶になく、申し訳ないが、先生の方で出してほしい、と頼むとあっけなく送られてきた。な~んだ、はじめから渋らないでよ!
 
あとは、仕事のピンチヒッターを見つけなくてはならない。あちこち友人知人にメッセージを送った。
 
私の怪我を聞きつけた空手仲間で闘病中のF爺が電話して来て、「だから言っただろう!自転車に気をつけろ、と...」と怒られた。彼は以前整形外科病院内の整体専門の医師であり、既に引退はしていたが、私が膝を痛めた時、数回診てもらった事がある。松葉杖を使いながらも、悪化させず、より良く完治出来るよう、うまく重心をかけた歩き方を教えてもらった。
 
翌日彼はリハビリ専用の病院へ移送が決まっていたが、私のギブスが取れ、彼も退院し、まだ生きていたら、私の足を診るから、と言った。F爺が私の足を診るのは義務で、一緒に道場に戻るのが私たちの希望だからね!と言った。
 
彼は時折り私に喜怒哀楽をぶつけるが、怒りは対私個人ではないから、頭に来ることはない。彼にどんなに泣きつかれても、本来涙脆い私が一緒に泣くことはなかった。が、今回は泣けた。
 
彼はいつも言っている。道場仲間は家族だ、と。今回精神的に支えてくれているのも、道場の仲間たち。空手オタクでストイック(私か?笑)な仲間、おしゃべりが多くて稽古はゆるゆるな仲間…。でも皆空手好きだ。
 
歩いて一分もしないところに偶然滞在しておられる来伊中の師範もお見舞いに来てくださった。
 
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早く道場に戻りたい。