引きこもり生活 〜 その2 虫の知らせと一つの棘 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

虫の知らせ、という言葉があるが、今思うと、怪我の前にしていた私の行動は皆、篭る前の準備だったのだろうか?…苦笑

 

少し早めの衣替え。まだ手元に友人から借りている読みかけの本があるというのに、また別の友人からも本を借り、お金も銀行からおろしていたり、買い物云々、引きこもりのためには準備万端であった。

 

しかも、今月末の「聖霊降臨祭」に奉納する折り紙の花束も頼まれていたが、多忙な中わさわさ折るよりも、時間がたっぷりあれば心を込めて折ることが出来る。

 

いい加減、家でじっとしてなさいというメッセージなのよ!多くの人に言われた。そうかもしれない。

 

静かに心を整える。50代でも落ち着きがなく、いつも出来ないで来たことだ。苦笑

 

また、長年癌治療を続けておられる方にお見舞いを頂いたので、お礼の一報をいれると、「これであなたも苦しんでいる人の気持ちがわかるかしら?」と言われてしまった。(!) 病者に寄り添っているつもりでいても、実際自分はその病気の苦しみや不安は経験していないからわかり得ない。何を言っても偽善に聞こえてしまうのかもしれない。そして、今実際、肉体的・精神的な痛みがあり、生活的に支障は出ても、時間と共に回復し、復活できる希望があるが、そうもいかない人もいるわけだ。

 

この数日、実際病気や施設におられる方々からご連絡を頂き、逆に励まされることばかりであった。やはり経験者は苦しみをご存知だからであろう。

 

「未来」を夢見るよりも「今」をどう生きるか。そして、やはり何事も「謙虚」であるべきだと思い知らされる。

 

身に一つの棘... 人は皆、できれば「無病息災」を願うが、私は、健康体であることに思い上がりすぎた。

 

「一病息災」(多病息災か?苦笑)で、我が身を労わりながら暮らすというのも、神様からの恵みなのだと今更ながら思い知らされている。