イタリアの救急病院 〜 その4 PS 再び 続き | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

…というわけで4時間半待ってやっと診察に呼ばれた。

 

ドクターに怪我の症状がいつからどのような状況でおき、今はどうかを具体的に説明。いきなり「あなたは何年イタリアに住んでいますか?」と聞かれ、30年だと答えると、「イタリア語が上手ですね」と言われた。子供達には馬鹿にされっぱなしだが、たとえとんちなイタリア語でも、一応自分だけでもPSにはかなりお世話になっているし、子供たちを含めればもっとなわけで、ボキャブラリーが足らなくても、言いたいことだけは伝えられるのさ、かなり稚拙な言い回しかもしれないが、伝わればいい。外国人だからと言って嫌な思いを病院でしたことはないが、イタリアの病院のシステムの悪さには辟易しており、4時間半待った後、痛みもありかなり不愛想であったと思う。

 

まあ、想像はついていたが、「レントゲンを撮って状況を見ましょう。さすがにもう4時間半以上待つことはありませんから」、と言われた。勘弁してよ。お腹すきすぎて気持ち悪いわ…

 

結局レントゲンは1時間後に呼ばれた。技師を見た瞬間、何か嫌な気がしたが、日本人大好きおじさんだった。病院関係者にあるあるで特に、PSでは毎回そういう人に出遭ってしまう。勘弁してよ、こっちは体調悪いんだし…「日本人?どこ出身?」「東京」と言うと必ず「すごい!」と言われる。何がすごいんだ?「日本ってゴミ箱がないんでしょ?ゴミはどこに捨てるんだ?」という。街中にゴミ箱も灰皿も少ないのに、なぜ町は綺麗なのか?外国人にとっては謎らしい。逆に歩道では数十メートルおきにゴミ箱がおいてあるイタリアの生活に慣れてしまうと、ごみ箱のない日本は不便でたまらない。皆どうしてるの?私が聞きたいわ!

 

ペラペラペラペラしゃべりまくられ、いやー胸の画像撮るのにこの人の前で脱ぐの?とぞっとしたが、Tシャツは着てていいと言われ、ほっとした。「片腕を頭の上に挙げて!」といわれ、毎回やたら肩やら腕に触れられ、むっとして「痛くてできない」と答えた。ここでもぶっきら棒だった。苦笑 

 

最終的に、始めのドクターに呼ばれたのが、その30分後。レントゲンでは骨折は見えない。けれど、呼吸が苦しかったりするならば総合病院のPSへ行くように、と言われた。痛ければ、痛み止めをのむだけで特別な治療はない、とやはり想定内であった。しかし、カルテには「不全骨折の疑い」とあった。つまりひび、ということなのだろう。ネット検索してみたら、レントゲンでは確認できない骨折やひびも多いようだ。いずれにしても、体をそらしたり、肩を動かしたりすると痛みが強くなり、また痛みのために深呼吸や咳、くしゃみがしにくくなるのは、まさにその症状。自然に治るのを待つしかない。

 

16時に受付し、22時終了。帰宅したら23時近かった。日中買い物をしている暇がなく、病院の帰り途中下車して食事する気もなく、家の近所のケバブ屋に寄るか?と思ったら既にお店を閉めるところだったので、帰宅してからお好み焼きを焼いて食べた。

 

友人、家族、空手関係者に結果報告をし、翌日シッター先にも連絡。仕事にどれほど支障が出るか、自分でも全くわからないが多少の制限が出ることを報告兼依頼。すると、ツインズの保育園送り迎えは自分たちで何とかする、できれば18時まで預かってもらう様頼んでみる、ということであった。

 

とはいえ、今日はツインズたちは16時半には帰宅し、大騒ぎ。とにかく胸にぶつかってこないよう、それだけは要注意した。

 

だんだん骨ももろくなっていくのか?と思うとぞっとする。いつも母に骨折だけは気を付けてね、といいつつ、骨折ではないとはいえ、自分も安静にしていないといけない状態になってしまうとは…とほほ。

 

それにしても、イタリアの病院は医師のレベルは決して低くはないのだろうが、システムの悪さには本当に辟易してしまう。お金がある人はプライベートの病院に流れるのは理解できる。精神的に滅入るのは、一番体に良くないからだ。いずれにしても、できる限り病院にはお世話になりたくないもの…特にイタリアでは…。