ツインズの洗礼式の日がやってきた。
クレモナ郊外に住居があるので、行きはクレモナまで電車で行き、帰りはミラノに戻るママさんの妹夫妻に送ってもらった。
クレモナはミラノから近いので、いつでも行けると思うと意外に行かないものだ。一度コロナ禍が始まる前に出かけたが、復活祭の翌日だったので、お店は開いておらず、教会しか見ていなかった。どうせなら、クレモナ在住の空手仲間に連絡をしてみようかな?とメッセージを入れたら、ランチをしましょう!と声をかけられ、早めに出かけて行った。その話はまた書くとして…
洗礼式が始まる、30分ほど前にクレモナ駅までパパさんが迎えに来てくれた。住居はクレモナ中心地から車で10分ほどのところであったが、そこは既にクレモナ市ではなく、トウモロコシ畑が続く平原。
洗礼が行われた教会は今や使われていないところで、ミラノであれば早々に売られ、レストランやナイトクラブ、イベント会場になってしまいそうだが、さすがに畑のど真ん中。そうともいかず、そのまま放置状態。とはいえ、非常に美しいお御堂であった。

総勢20数名。それだけでお御堂はいっぱいになってしまったくらいだ。
洗礼用の洗礼盤は洗礼用の水を入れる容器のことをいうが、これは自分らで用意するよういわれたそうで、さすがカッシーナ!厩から石でできた5-60キロある飼い葉桶を調達!
それにしても、洗礼前日初めて司式司祭が家にやってきたそうで、幼児洗礼における講座というか、簡単な説明が行われたそうだ。カトリックでは親の信仰に基づき、乳児や児童に洗礼を授けるのは親の義務、と教えがあるが、最近では、親自身(特に若い世代)教会離れの傾向も強く、子供に洗礼を授ける考え方もかなり変わってきているようだが、その辺は信仰心云々はさておき、乳児洗礼を希望した両親というのは、結婚式も教会であったし、ある意味伝統的イタリア人家庭なのかもしれない。洗礼前に親も告解を受けるのよね?と聞かれ、それが理想であると思うが、一応司祭に聞いてください、といったが、すったもんだあったが、すべてをのみこみ、すべて聖霊のお恵みであったと思う。委ねることが大切。
ところで、式は、洗礼式のみであったが、夕方5時からの式であったので、4時に三男は授乳されたが、暑さゆえか?式の途中からぐずり始めた。長男も暑さのためか?大理石の祭壇でうつ伏せになり(爆)洗礼用のろうそくに捕まった時は、ぐらぐら揺れ、ハラハラした。次男はいつもの愛嬌で、お御堂に集まる人々の間を回り、私の隣に座り、私の扇子を取ってVento!ヴェント!(風!風!)と叫んだ。
洗礼はまず三男から始まった。聖水を頭にうけ、泣き出したと途端、長男は祭壇から逃げた。次男はそれを指さし、あうあうおうおう司祭に話しかける。
ママさんは三男をベビーカーに一度起き、親類総出で次男、長男を捕まえた。三男が泣き出し、どうしようもなくなり、私が抱っこ。やはり暑さでのどが渇いていたのか、私の肩をべろべろなめだした!爆 長男、次男は聖水を受け、泣きはしなかったが、暑い中気持ちよかったのか?次男はもう一度やってくれと司祭に要求。非常に和やかな儀式であった。
その後、徒歩2分の彼らの自宅にもどり、元厩小屋にケータリングサービスが準備されていた。蚊がいたら困るなあと思っていたが、意外にも蚊ではなく蠅が多く、驚いた。
次から次へとクレモナの地方料理が出された。(ランチもそうだったのだけれど!)
週末は田舎で過ごすツインズたちは2歳未満で既にゴーカートを上手に乗り回す。ノンノがクレモナは運転免許がなくても車が乗れるぞ!と言っていたが、さすがに障害物がなければ問題はない。特に普段はものおじする長男が、運転は非常に慎重でハンドル捌きもお見事。ただ、なんどかケータリングのテーブルに突っ込みそうになり、大人が駆け寄った。逆に普段ものおじは全くしない次男は運転は苦手なようで、小学生の親類の女の子に「ビンボ!」(今の彼には、男性名詞も女性名詞、単数複数も関係なし!)と叫んでは手をつなぎたがり、摘んできた花を渡そうとしていたが、誰かに耳打ちされたのか急に私に持ってきた。笑
また、いつの間に洋服をぬぎ、裸の大将然りのクレモナのノンノがイタリア製竹馬を持ってきて披露。誰かできるか?シニョーラ、やってみろ!といわれ、乗らされた。子供のころ、♪たんたん竹馬カラー竹馬、たんたん竹馬カラー竹馬!のカラー竹馬は持っていたので多分今も乗れるだろうとは思ったが、日本のそれとはちょっと形が異なっており、まず松葉杖のように肘を取っ手にかけ、足を乗せる方向も違っていたし、何せ踵付きのサンダルをはいており、しかもアルコールが入っているではないか!へたしたら、竹馬が松葉杖になる可能性も無きに然り…と一瞬頭をよぎったが、あまりにも周りに乗せられてしまい、やらざるを得なくなった。
抑えておいてあげるから、といわれ、後ろでノンノが抑えており数歩歩いたところで、あれ?抑えているの?どうなの?と思っていたら、既に勝手に一人で進んでおり拍手喝采。おー、ツインズの前でとりあえず面目は保てた!
そして、又パパさんに聞いておらず知らなかったのだが、彼のいとこという人に、ローマ在住で日本人と結婚をしている人がおり、現在母子は夏休みのため日本に帰国中であるということであったが、そのいとこも空手を始め合気道など日本の武道を経験しているということだった。現在は11歳の息子君とブラジリアン武術をやっているそうだ。たとえ、イタリア人の先生についても、しっかり武道の精神が身についている教室であれば、その生徒たちにも説明しなくても
長い長い一日であったが、案ずるより産むが易し。ママさんにも安堵の様子が窺えた。
それにしても、休暇中であっても子育てはノンストップ。とはいえ、長い人生後から考えたら、子育ては自分を何よりも育てるものだと気付く時が来る。
もう3人も4人も一緒ですよ。女の子どう?と冗談を言った。昨年2人も3人も一緒と言ってしまい、夏休み明けに妊娠した!と聞いたときはあっけにとられてしまった。二度あることは3度ある、にならないように。爆 その時は、全員よろしく頼む!とパパさんに言われてしまったが…!!
終わりよければすべて良し。