さよなら、ありがとう | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

在ミラノカトリック日本人会が長年籍を置いていたマリアバンビーナ(幼きマリア会)修道会から事務局の住所をPIME(ミラノ外国宣教会)へ移すことになり、起きっぱなしであった書類や書籍類、茶話会用の道具やらバザー商品の整理に出かけてきた。

 

毎年5月の第3週のミサでは、中庭にあるマリア像がジャスミンの花に覆われそれはそれは美しく、また華やかで存在感のある濃厚な香りでありながら、しつこくなく癒される憩いの庭であったが、まだジャスミンは間に合うか…と思い、片付けに入る前に中庭を除くと、既にジャスミンは咲き終わる間際であった。見納めに一枚。

 

 

実はこの修道院の下には、ミラノの4番目の地下鉄・M4エンメクアットロを現在工事中(実際5番目の地下鉄Ⅿ5・エンメチンクエのほうが先に運行された)であるが、工事が始まった途端、修道院内の壁にひびが入ったり、壁の一部の大理石が落ちたりと問題が多発。高齢のシスターたちはベルガモ郊外の養老院へ移動させられ、来月から一部の建物を完全に建て替え、学生寮としても活用されるようになるという。

 
 
 
そして、図書の整理をしていたら、既に数冊本は引き取っているのだが、またまた気になるものがあり、5冊持ち帰り。ああ、なかなか断捨離できず家が狭くなるばかり…
 
日本ではすでに歌わなくなった聖歌の楽譜が出てきて、ここでも歌わないよね…と言いつつ、楽譜を見始めると止まらず。90年代からの会報のコピーが出てきたり…いろんな十字架の道行きの冊子やら聖週間の冊子などもみつけ、あゝ家にあるのは、古いし、書き込みばかりで汚いからもらっていこう…と言ってはまたまたもらってしまう。
 
最後に、担当のシスターに挨拶をすると、これでおしまいではなく、また遊びに来てくださいね、と声をかけられた。9月8日の聖母生誕祭には必ず来ますよ、と約束した。また、日本からの巡礼者が来られればお連れしたいところ。
 
ところで、一度帰宅し、簡単に夕食を食べてから、夜は近所の教会でのコンサートに出かけた。
 
自転車で出かけ、教会前に駐輪。
 
しかし、22時過ぎにコンサートが終わり、外にでると、あれっ私、どこに自転車置いたっけ?一瞬わからなくなった。あれっない?
 
次男が幼稚園時代、次男と同い年のお友達のご家族の帰国の際、自転車を受け継いだもの。かれこれ14、5年になるが、部品という部品すべて数回ずつ変えていると思う。子供用後部座席は25?キロまでだったと思うが、調子が悪くなって修理に出すと、「シニョーラ25キロ以上の子供載せているでしょう?」と必ず注意されたものだ。
 
一時期長女も私の自転車で高校へ通っていたのはいいが、平気でどこでもバンと倒したり、荒く使うのが日常茶飯事のようであったが、そのたびにやれ、かごが曲がった、やれちゃんと立たない、夏休み明けはタイヤがわれ、冬にはブレーキが切れ…いろいろとあった。
 
さびて来ては、黒いスプレーをかけ、さすがに誰ももう盗まないでしょう?駅や道端に止めていて、戻ってきたときに、元の場所にあると、奇跡だ~!と喜んだものだ。
 
昨年くらいはサドルを取り換えたばかりだったのに、シートはナイフで切られたような跡があり、またアパートの工事で駐輪場に置いていたにも関わらず白いペンキをたらされ、ひどいものだった。
 
それでも愛着があった。どこに置いても誰も持って行かない、そう信じている私がうかつだった。
 
近所を探したが、まあおいてあるはずはないだろう。どこかまで乗り継ぎ、捨ててあることだろう。
 
友人からワッツアップにメッセージがきたので、自転車取られちゃったわ、というと、盗難自転車が売られているお店があるよ、と言われた。同じアパートの人も自転車を盗まれ、盗難自転車が売られているお店に行ったら、彼女の自転車が売られていたという。警察に証拠になるような画像をつけて盗難届をだしていれば、確実に警察も介入してくれるらしいが、そうでない場合は、交渉して戻ってくるのかどうかは不明。
 
それでもどこかで見つかるような、それこそ奇跡的な再会を期待している私がいるのだが…
 
それにしても、教会前で他人の自転車を持ち去るとは…涙。