読み聞かせ 〜 una bimba … sottovoce | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

メアリは声の小さな女の子。

 

彼女の家族は、彼女の声を聞くことができないほど大きな音を立てて生活をしている。

 

そんな生活の中で、彼女が繊細な身のこなしで、失われていた世界の美しさを家族に伝える、というお話し。

 

著者のピーター・カルナヴァスはオーストラリアの作家であり、イラストレーターでもある。彼は既に20冊以上の著書があり、その多くは受賞歴があると言う。いくつかの作品は世界中の多くの言語に翻訳されており(日本語は未だ?)、オーストラリア中の数多くのフェスティバルや学校で取り上げられているそうだ。

 

彼の繊細なイラストが、主人公である声の小さなメアリーの繊細さを更に強調し、純粋で、癒し、心を温めてくれる。

 

あまりにも静かでどこにいるか分からず両親は「メアリー!」「メアリー!」と言って彼女を探し回す。

 

声色をかけて読んで上げると、ツインズたちも「メアリー!」「メアリー!」と叫ぶ。またこの本を読んでほしい時も同じ。

 

ところで忙しすぎて、心が無の状態でいると、自然の恵みに気づけないことがある。

 

また、小さな声に気付き、「耳を傾けること」も大事だと改めて教えてくれる。

 

ヘッドフォンや携帯電話で世の中をシャットアウトし、公共の場で好き放題の人もよく見かける。子育てにも言えることだろう。

 

大人へのメッセージ性のある素敵な絵本だ。