待降節 2021 〜 その3 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

じわじわとクリスマスが近づいてきた。

 

「待降節」とは、来られる救い主キリストを「待ち望む心」を育てる季節である。まさにアドヴェントカレンダーがそうだろう。

 

ミラノのアンブロジアーノ典礼は6週間だが、オリジナルのローマ典礼は4週間。教会の祭壇には蝋燭が飾られる。

 

 

教会の歴史の中で昔から「待ち望む心」を表わすのは、天使たちに導かれて馬小屋を訪れる羊飼いたち、また星が導く博士たちなどだ。アシジの聖フランシスコの望みで、グレッチョの教会で初めて、生身の人間と動物たちがその場面を演じたが、その後はどこの教会でも、今と同じような馬小屋(プレセピオ)を作るようになった。

 

 我が教会のプレセピオ

 

ところで、最近、教会でみられるようになったクリスマスリースは、ドイツのプロテスタントの共同体(教会)の中から生まれ、そのうちにカトリック教会にも飾られるようになったという。その始まりはクリスマスプレゼントへの子どもたちの待ち遠しい気持ちがきっかけとなったそうだ。きっとクリスマスの贈り物を楽しみにする降誕祭への子どもたちの期待がわかりやすく表わされているからだろう。

 

こうして、時計からイメージされた丸い形の輪を作り、12時、3時、6時、9時を示す太いローソクを飾り、その間に毎日を表す小さいローソクを飾っていたこともあったという。現在は太い蝋燭が4本(ミラノは6本)だけとなり、待降節の四週間を表す。

 

その輪を松の枝で飾る理由は、常緑が永遠の命を表すからなのだそうだ。また蝋燭の色は「待ち望む心」を表わす紫だが(ミラノは赤)、待降節第三主日のバラ色は、“クリスマスがもうすぐ!”という意味を表している。そしてクリスマスを示す色は、白であり、光を表わしている。

 

 

 

本来、ローマ典礼では1本目の濃紫色の蝋燭は「悔い改めと償い」を、2本目の薄紫色の蝋燭は「希望」、3本目の桃色の蝋燭が「喜び」、そして祭壇に近い4本目の白い蝋燭は「イエス・キリスト」を象徴する。4本の蝋燭は、イスラエル人がメシアを待っていた4千年を意味しているのだそうだ。6世紀の中ごろ、スペインの教会で始まった待降節は、13世紀に、正式に教会が祝日として定められ祝われることになった。

 

待降節は、私たちがクリスマスへの「望み」を育て、クリスマスの救いに「あずかる」ように導き、またクリスマスをもたらし「証する者」として下さる時。

 

マラナタ...主よ、来てください。

 

日々忙しく過ごしているが、1日に少しでも静かに心を落ち着かせ、クリスマスを迎えられますように。