このコロナ禍で地下鉄のスリ(そのほとんどがロムと呼ばれるジプシー)は食いはぐれていたのだろうか?それであれば、悔い改めて足を洗っていてくれたら良かったが、そうは問屋がおろさない!
徐々に、乗客数の制限もあってないようなもので、週末になると、かなり混み合うようになってきた。
特に先週はハロウインで、どこも賑わっており、すごい人であった。
私は友人の洗礼式で午後から出かけたが、近所のサンシーロではサッカーの試合があり、すでに終了はしていたが、だからこそなのだが、最寄りの地下鉄の駅は閉鎖されていた。M1と乗り換えになる駅(Lotto)から、サンシーロはM5で3駅あり、終点なのだが、中2駅は試合やコンサートがあると閉鎖されてしまう。仕方なく2駅歩こうかと思っていたら、トラムが来たので、それに乗り込み、急遽別ルートで出掛けることにし、途中でM1に乗り換えた。
途中今度はM3に乗り換えたが、このM3、とくにスリが多いのだ。なぜか乗客が駅構内に溢れており、それだけで嫌な気がしたのだが、案の定、ロムの女性3人組を発見。彼女たちは皆腕に上着をかけている。上着であったり、時に子供(たまに人形)を抱いていたり、新聞を持っていることがあるが、とにかく手の先まで見えないようにして、囲い込んだ人のポケットやバッグからそっと財布を抜き取り、一緒にいる仲間たちにリレーのバトンのように連動式に渡していくのだ。
わっロムだわ!私は違う車両に乗り込んだにもかかわらず、次の駅で彼女たちが乗り込んで来た。えっ???いいカモを見つけたのだろうか?一人は地下鉄の入り口にたち、二人が、ある夫婦の旦那側にびったりくっついていた。ほどほどに混んでいる車両であったが、私は数歩離れ、何気に首を長くして、彼女たちの手がどう動くか観察していた。しばらくして、ドアの付近へ二人とも移動。盗んだかどうかはわからないが、私がじっと見ていたことには気づいたようだった。
次の駅で私は降りたが、彼女たち3人組はさーっと別の車両の入り口へ移動し、再び誰かにくっつくようにして車内へ入っていった。
あらら...混み合う曜日、時間帯、そしてとくに年末は要注意だ。久々背筋が凍る思いだった。
その後、友人と合流し、洗礼式会場の教会へ。おしゃべりしていたら、彼女も地下鉄でスリをわんさか見たということだった。
そしてミサの途中、洗礼自体は終了したくらいに、南米系の若い、下手したらまだ10代後半の男女3人組が入ってきた。どういうこと?一つの長椅子に腰掛けたが、ぼそぼそおしゃべりが止まらない。皆ちらちら後ろを振り返っていたが、私も彼らの声に気が散ってしまい、どうしても神聖な気持ちでミサに与りに来たとは思えなかった。
じーっと見ていると、一人の女性は必死に、ミサの冊子を見ようとしているが、それは日本語だ。100歩ゆずって日本語がわかるとしても、受洗する家族の知り合いとは到底思えず。怪しすぎる。数人の人が、シーっ!と静かにするようにと何度も注意した。
それでもざわざわ、ガタガタ止まらない。そろそろ聖体拝領という時に、男女二人が立ち上がった。やっと帰ってくれるか?と思ったら、お御堂の脇にある御絵の方へ行き、ポーズをとって写真を撮ろうとしている。はあ?と思ったら、残りの女性が、参列している日本人に声をかけ始めた。とにかく、こちらの気を紛らそうとしているのでは?と思った。
意外に教会ほど、気をぬいてはいけないと以前聞いたことを思い出した。ミサ中にスリや置き引きは多い。それだわ!と思った。
なぜか彼らは聖体拝領したが、出て行ってしまった。あまりにも私がジロジロ見るし、埒明かないと思ったのではないだろうか?友人とも、彼らは絶対物取りの目的で入ってきたよね、と話したが、始終落ち着きがなかった。
ところで、余談だが、日本の警視庁の犯罪統計によると、一昨年と比べて、去年の犯罪は18%も減少しているのだそうだ。
大きく減少したのは窃盗犯で、21.6%減少。ひったくりや自転車泥棒などの街頭犯罪が大きく減ったことが影響しているようで、まさにコロナ禍での外出減が犯罪減少にも影響したということだろう。
また、テレワークや外出自粛の影響により、家にいる時間が増えたことも影響し、空き巣、住宅侵入などの犯罪がこれまた20%以上減少したという。
コロナ禍は「犯罪増加の1年」ではなく、むしろ「犯罪減少の1年」となったという意外な結果であった。
イタリアに関しても、調べてみたが、さすがに、ロックダウンで身動きも厳しい状況であったから、そうそう目立つことはできないだろうと思っていたら、逆にネット犯罪が増えていたようだ。やはり、ワクチン関連のサイトがかなり増え、その中には、偽造コロナワクチンと共にコカイン、麻薬、銃、偽造パスポートなどの犯罪が増えていたという。
どんな状況でも悪党は消えないんだなあ。
あんたが犯した罪、悔い改めな