今が旬 〜 ザクロ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

今日、歩道を歩いていたら、ザクロがたわわになっているのを見かけた。

 

ザクロって今の時期だったんだ!

 

子供の頃、読んだ漫画「赤い沼」に「ザクロは血の味、罪の味」というフレーズがあって、どうも敬遠してしまっていた。確か鬼子母神にまつわるストーリーだったような気がするが、詳細は覚えていない。

 

しかし、大人になって、しかもイタリアでサラダに鳥の唐揚げとザクロの実が入っており、その意外性に虜になり一時期病みつきになって食べている時期があった。ザクロの粒が何気に甘酸っぱい。

 

ところで、以前トルコに行った時、ザクロを絞ったジュースが街中で売られており、驚いたことがある。けれど、調べてみたら、ザクロは、イランやトルコでは有史以前から果樹として栽培されてきた果樹なんだそうだ。

 

そして、ザクロはビタミンCを含んでいる。ビタミンCは抗酸化作用が強く活性酸素から細胞を守り、コラーゲンの産生を促進する働きがあるため、肌の老化を防ぎ弾力やハリを与える効果があるという。また、メラニンの生成を抑えることからシミの予防改善にも効果的なのだそうだ。カリウムの含有量が果物の中では多く、体内の余分な水分を排出し、むくみの改善に役立つ...と言われると、すぐに食べたくなってしまう。更には、アントシアニンやタンニンといったポリフェノールには抗酸化作用があり、生活習慣病の予防にもつながる...と言われようものなら、気になってたまらなくなってしまう。

 

ちなみにザクロの花の花言葉は「円熟した優雅さ」。そして、ザクロの実の花言葉は「愚かしさ」「結合」。

 

ギリシャ神話にも出てくる実だが、名前の由来は諸説あるが、原産地とも考えられるペルシア湾東方の「ザグロス山脈」の名前にちなむという説などがある。漢字では、「石榴」と書く。

 

花は初夏に咲くが、味がこの時期になるからか俳句での季語は秋なのだそうだ。

 

ふるさとの路ならなくに花ざくろ 三好達治 俳句拾遺

 

塗り立てのペンキの塀や花ざくろ 室生犀星 魚眠洞發句集

 

花石榴久しう咲いて忘られし 正岡子規

 

実から採取した種をこの時期蒔くと、芽が出るらしい。とはいえ、実ができるまでは3−5年かかるのだそうだ。それもまた、楽しみが増えて良いかも!